平成4年度の研究計画・方法に沿って、以下のように進めた。 1.層流試験 前年度設計試作した試験装置を用い、層流試験を行った。その結果、測定に用いる流量としては総流量40l/min試験空気流量12.5l/minが最適であることを確認した。 2.イオン移動度測定用電源の試験 前年度作成した電源を改良・試作した二重円筒型モビリティアナライザに適用して試験した。その結果、発生電圧ステップに多少問題はあるものの十分な移動度分解能をもって使用できることを確認した。 3.放射性エアロゾル捕集装置の試験 前年度新たに考案・試作した半導体放射線検出器2個を並列で使用する連続捕集装置の動作特性について、現有の波高分析器(東芝NAIG製560A)と前年度導入の同種の波高分析器の2台を同時に作動させて試験を行った。その結果、decay法で解析する2段目の捕集装置において減圧して使用する際にさらに工夫を要するものの、growth法、decay法の両方で同一試料について同時に分析・評価し得ることを確認した。 4.装置全体についての動作特性、安定性のチェック 前記1、2、3の各試験を終了後、装置全体を組み上げ、高濃度のラドン娘核種を含む空気を試料として長期にわたる動作特性と安定性のチェックを行った。その結果、本試作装置は今後さらにコンパクト化等の改良を要するものの現状においても放射性イオンの粒径分布測定に十分な分解能と精度をもって適用できる見込みを得た。
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