研究課題/領域番号 |
03558024
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研究機関 | 九州大学 |
研究代表者 |
的場 優 九州大学, 工学部, 教授 (60037827)
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研究分担者 |
魚住 裕介 九州大学, 工学部, 助手 (00232801)
井尻 秀信 九州大学, 総合理工学研究科, 助手 (90136549)
榮 武二 九州大学, 工学部, 助教授 (60162278)
吉村 厚 九州大学, アイソトープ総合センター, 助教授 (50013371)
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キーワード | 超伝導磁石 / 小型サイクロトロン / 磁場測定 / 平衡軌道シミュレ-ション / 加速軌道シミュレ-ション |
研究概要 |
本研究の平成3年度計画では、京都大学化学研究所(宇治市)に保管されているサイクロトロンを復元して九州大学工学部へ移設し、研究体制を整えることが重要な課題となっていた。当初計画では、この全作業を一括してメ-カ-に依頼する予定であったが、メ-カ-側が予算上無理であると判断したため、作業の全てを申請者等で行う形に変更した。研究内容に変更はないが、経費の使い方を変更、整理して実行する様にしたため、クレ-ン、安定化電源、液体ヘリウムシステムの購入に当てた設備備品費は予算を下回り、復元・移設作業等に当てた消耗品費や謝礼金、打ち合せ旅費等が膨らむ結果となった。現在のところサイクロトロンは、クライオスタットとヨ-クとに分かれた形で設定されており、クライオスタットに超伝導電磁石を固定する作業等を今後進めなければならないが、研究体制を整えるという当初の予定は達成されている。 平成3年度には研究体制の整備を計ると共に、サイクロトロンに関する設計計算、シミュレ-ション計算並びに、磁場測定装置の開発・製作を進めた。シミュレ-ション計算では平衡軌道、加速軌道の安定性について詳細な調査を行い、最適な磁場形状が得られた。更にビ-ム引出し領域での位相空間を調べたところ、出射系に関しても良好な特性が得られていることが分かった。これらの成果は平成3年11月第8回加速器科学研究会(理化学研究所)で発表し、プロシ-ディングとして公表された。磁場測定装置は、多極成分を正確に調べることが可能なフリップコイル型のものを開発した。精密位置決定装置、FFTデ-タ解析コ-ド等も完成しており、これらを組み合わせることで磁極の最適化を進めることが可能となっている。 以上の成果を踏まえて、平成4年度の研究計画を作成している。
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