研究概要 |
1.試料混合部,流体回路,1/0制御部及びコントロ-ラ-機構等からなる微量4液混合迅速反応停止装置を特注し、本装置を用いて以下の結果を得た。 胃上皮粘膜H^+,K^+-ATPaseのリン酸化及び脱リン酸化の速度を追跡した。リン酸化の速度は酸性で初期相30.2/S及び後期相5.3/Sとなり、中性で17.7及び3.5アルカリ性で1及び0.6/Sといずれも2相性を示した。これらの結果は従来の我々の2液混合反応停止装置で得られた値とほぼ一致した。ついで、リン酸化酵素形成後、3液混合の機能をATP,ATP+ADP及びATP+KCIを加えて脱リン酸化の時間経過を測定して検討した。その結果EPがK^+によってすみやかに分解を受けることが示唆された。目下種々の条件でこの点を詳細に検討中である。 2.上記EP形成の時間経過と内因性トリプトファン(Trp)残基の蛍光変化をH^+ポンプにATPを添加してから比較した。その結果、Trp残基の蛍光変化はEPが形成された後に増加することが示された。この結果はTrp残基の蛍光増加がH^+のポンプ分子内移動を反映するか、E_1PとE_2PにおけるTrp残基の蛍光が大きく異なっていることを示唆している。この点に関してさらに詳細な研究を行っている。
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