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1992 年度 実績報告書

超伝導型生体超分子NMRシステムの開発

研究課題

研究課題/領域番号 03558029
研究機関横浜国立大学

研究代表者

阿久津 秀雄  横浜国立大学, 工学部, 教授 (60029965)

研究分担者 黒田 幸夫  (株)日本ブルカー, 技術サービス部, 部長
仁木 克己  横浜国立大学, 工学部, 教授 (00017899)
キーワード固体NMR / 生体超分子システム / 重水素NMR / 固体用プローブ / 重水素化リン脂質 / 超伝導NMR
研究概要

本年度は,生体系を扱うためのコイルのデザインとして,試料管を縦置きにすることのできる形を検討し,直径5mmの鉛直なガラス管のまわりにコイルをサドル型にとりつけたものをつくった。コイルは8ターンであり試料体積は0.94cm^3である。またこのコイルでは,直径5mmφのNMR試料管をそのまま使うことができ,超伝導磁石からプローブをとり外すことなく,試料管をプローブから出し入れできる。しかし,昨年度のソレノイド型と同じ条件で90°パルスを測定したところ,7.8μsであった。これを更に短かくするために,高出力増幅器を更につけ加えることを試みたが,プローブ内で放電を起し,90°パルスを更に短かくすることはできなかった。これは当研究室の超伝導磁石がナローボアであり,プローブ内のスペースが狭いためである。このサドル型プローブを用いて,重水素化脂質の二重膜の重水素NMRを測定した。約60mgの試料を用いて,15000回の積算でS/Nのよいスペクトルを得ることができた。90°パルス巾が7.8μsの時のRF磁場の強さは32KHzで,有効に励起できる帯域は約60kHzである。従って,脂質二重膜の研究を行うのにはこれで十分であることがわかった。これを更に確認するために緩和時間の測定を行った。180°パルスによって,スペクトルの全領域での完全な反転がみられ,RFパワーの点でこのプローブが十分に実用になることが再確認された。更に広いスペクトル幅を持つ固体のFIDをコンピュータにとり込むために,サンプリング速度1MHz,2チャンネルのADコンバータを外付けした。これにより感度がより直交検波で観測帯を1MHzにまで広げることができた。又,これらのデータはワークステーション上で処理できるようにした。このようにして,生体超分子系に適合したNMRシステムを開発することができた。これを商業ベースに乗せるためには,更にワイドボアでの検討が必要である。

  • 研究成果

    (3件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (3件)

  • [文献書誌] H.Akutsu,T.Nagamori: "Conformational analysis of the polar headgroupin phosphatidylcholine bilayers" Biochemistry. 30. 4510-4516 (1991)

  • [文献書誌] 日本生化学会編: "新生化学実験講座6「生体膜と膜輸送上」" 東京化学同人, 424 (1992)

  • [文献書誌] 水島・宇井編: "バイオメンブレンシステム-生体膜と生命現象" 講談社, 182 (1992)

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公開日: 1994-03-23   更新日: 2015-04-14  

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