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1992 年度 実績報告書

ヘーゲルとフィヒテの概念論の比較研究

研究課題

研究課題/領域番号 03610002
研究機関山口大学

研究代表者

松本 正男  山口大学, 人文学部, 助教授 (00127789)

キーワードフィヒテ / ヘーゲル / 概念 / 表象 / 知的直観 / 論理 / 知識学 / 事行
研究概要

本年度の研究課題は、大きく次の三つに分かれていた。1)フィヒテ・前期知識学の、表象における志向性の成立を、知的直観の問題と実践的自我の問題を含めてトータルに取扱う。2)フィヒテ・後期の『論理学の、哲学或は超越論的論理学に対する関係について』等、特に形式論理学に対する超越論的論理学の関係について研究する。3)計画の全体を再確認する。--以下、これにそって、本年度の成果を説明する。
前年度、私は、フィヒテ初期の「知的直観」概念の導入の経緯を、ラインホルトの「意識律」、シュルツェの「根元哲学」批判の検討を介して、いわば前知識学的文献のうちに辿った。今年度は、この成果を踏まえて、特に前期知識学の主著である『全知識学の基礎』を中心に、1)の研究を進め、その始めの成果を、研究1)の一環として、「『事行』について(1)」論文で示した。この論文は、「事行」という、哲学史上、フィヒテの名と並んで有名な概念が、実は、それの極端な抽象性の故に、実践部門をも含んだ体系全体の基盤として知識学叙述の出発点とするには、無理な点があることを指摘するものである。この論文は、翌年度に完結する予定であった。しかし、平成6年に上記『論理学の・・』の翻訳(共訳)を出版する運びとなり、翻訳稿の完成の間(本年度においても、すでに「事行、(1)」論文執筆後は)、本研究はこの部分を中心に遂行されることになった。この部分の成果は、当面、この翻訳書の出版と、この本と連関する超越論的論理学関係の論文として現れることになろう。そして「事行(2)」論文は、この後に書かれることになるかも知れない。なお、本年度は、本研究計画全体の俯瞰を、ひとまず"Hegel contra Fichte、oder Fichte contra Hegel"論文に纏めた。これは、本年度に1、翌年度に2が印刷される。

  • 研究成果

    (2件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (2件)

  • [文献書誌] 松本 正男: "Hegel contra Fichte,oder Fichte contra Hegel(イ)" 山口大学哲学研究. 1. 1-35 (1992)

  • [文献書誌] 松本 正男: "「事行」について(イ)" 文学会志. 43. 1-19 (1992)

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公開日: 1994-03-23   更新日: 2016-04-21  

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