• 研究課題をさがす
  • 研究者をさがす
  • KAKENの使い方
  1. 課題ページに戻る

1992 年度 研究成果報告書概要

霧島周辺地域の「かくれ念仏」信抑の伝達過程に関する比較研究

研究課題

研究課題/領域番号 03610019
研究種目

一般研究(C)

配分区分補助金
研究分野 宗教学
研究機関西南女学院短期大学

研究代表者

中別府 温和  西南女学院短期大学, 助教授 (00155805)

研究分担者 古賀 和則  竜谷大学, 社会学部, 教授 (30108617)
研究期間 (年度) 1991 – 1992
キーワードかくれ念仏 / シント / ブッド / 御座 / 霊能者 / 神懸かり / 経文 / 講
研究概要

香禅寺・中方地域の「かくれ念仏」信仰は、本家筋の夫婦一組だけが信徒となる。信仰は個人よりも「家」の問題である。信仰は対仏教集団だけでなく、信徒以外の全員に隠されていく。信仰の秘密を保つ範囲は、「かくれ念仏」信仰の信徒10組〜30組位から構成される「流れ」と呼ばれる宗教集団内である。香禅寺に3、中方に3の「流れ」が現存するが、これらの「流れ」間に信仰に関する連絡や協同は殆ど存在しない。相互に分立し、独立している。「流れ」は「寺元」を頂点とするヒエラルヒーを組み、入団に際しては「お願立て」なる入信儀礼を行い、信徒一組と入団者一組との間で擬制的オヤコ関係が結ばれねばならない。「流れ」の信徒は諸寺に帰属せず、神社の氏子である。「流れ」は各々経文と儀礼慣習を保持してきている。「流れ」間に経文と儀礼慣習の変異は相当存在するが、それらの変異を越えて阿弥陀信仰、浄土観念、汎神的思考、祖先崇拝的心性等が色濃く観察される。「かくれ念仏」信仰集団を、仏教徒集団から区別する顕著な領域は、「御座」とそこでの最重要テーマである神がかりである。霊能者が神がかって語る内容に対する信頼は、諸「流れ」によって共有されている。不安の立て直し、病気治療、「寺元」の選定、強度の彼岸性等は、年に20〜30回開かれる「御座」と、死後7日以内を目処に行われる「御座」(「後座」「アトギネン」)によって強化されてきた。諸「講」は、「かくれ念仏」信仰集団が村落生活を営む場面で外集団に対し開いてきた部分である。「流れ」の中に閉鎖せず、「流れ」を越え、地域内で生きる断面である。「かくれ念仏」信徒の墓石に関しては、74の法名(戒名)が発掘された。それらを(1)「信女」(2)「信士」(3)「法名釋」(4)「禪」の文字を含むかどうかで分類すると、(1)(2)は近世後期に集中し、(3)は近現代に集中していることが判明した。

  • 研究成果

    (10件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (10件)

  • [文献書誌] 中別府 温和: "霧島周辺村落における「かくれ念仏」信仰と神がかり" 竜谷大学仏教文化研究所紀要. 21-40 (1993)

    • 説明
      「研究成果報告書概要(和文)」より
  • [文献書誌] 古賀 和則: "都城盆地の宗教的背景と「かくれ念仏」" 竜谷大学仏教文化研究所紀要. 1-20 (1993)

    • 説明
      「研究成果報告書概要(和文)」より
  • [文献書誌] 中別府 温和: "霧島周辺地域の「かくれ念仏」信仰の伝達過程に関する比較研究資料編(III)" タチバナ印刷, 48 (1992)

    • 説明
      「研究成果報告書概要(和文)」より
  • [文献書誌] 中別府 温和,古賀 和則: "霧島周辺地域の「かくれ念仏」信仰の伝達過程に関する比較研究" タチバナ印刷, 160 (1993)

    • 説明
      「研究成果報告書概要(和文)」より
  • [文献書誌] 中別府 温和,古賀 和則: "霧島周辺地域の「かくれ念仏」信仰の伝達過程に関する比較研究資料編(IV)" タチバナ印刷, 30 (1993)

    • 説明
      「研究成果報告書概要(和文)」より
  • [文献書誌] HARUKAZU NAKABEPPU: "COMPARATIVE STUDY OF THE SUCCESSIVE KAKURENENNBUTSU AT THE FOOT OF MT.KIRISHIMA (MATERIAL : III)" TACHIBANA PRESS. 1-48 (1992)

    • 説明
      「研究成果報告書概要(欧文)」より
  • [文献書誌] HARUKAZU NAKABEPPU: "STUDY OF POSSESSION IN KAKURENENBUTSU AT THE FOOT OF MT.KIRISHIMA" BULLETIN OF INSTITUTE OF RYUKOKU UNIVERSITY. 21-40 (1993)

    • 説明
      「研究成果報告書概要(欧文)」より
  • [文献書誌] HARUKAZU NAKABEPPU, KOGA KAZUNORI: "COMPARATIVE STUDY OF THE SUCCESSIVE KAKURENENBUTSU AT THE FOOT OF MT.KIRISHIMA" TACHIBANA PRESS. 1-160 (1993)

    • 説明
      「研究成果報告書概要(欧文)」より
  • [文献書誌] HARUKAZU NAKABEPPU, KOGA KAZUNORI: "COMPARATIVE STUDY OF THE SUCCESSIVE KAKURENENBUTSU AT THE FOOT OF MT.KIRISHIMA (MATERIAL : IV)" TACHIBANA PRESS. 1-30 (1993)

    • 説明
      「研究成果報告書概要(欧文)」より
  • [文献書誌] KOGA KAZUNORI: "RELIGIOUS BACKGROUND AND KAKURENENBUTSU IN THE KIRIHSIMA BASIN" BULLETIN OF INSTITUTE OF RYUKOKU UNIVERSITY. 1-20 (1993)

    • 説明
      「研究成果報告書概要(欧文)」より

URL: 

公開日: 1994-03-24  

サービス概要 検索マニュアル よくある質問 お知らせ 利用規程 科研費による研究の帰属

Powered by NII kakenhi