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1991 年度 実績報告書

ヘ-ゲル社会倫理の総合的研究

研究課題

研究課題/領域番号 03610020
研究機関東北大学

研究代表者

上妻 精  東北大学, 文学部, 教授 (10054298)

キーワードフランス革命 / ヴュルテンベルク公国 / ドイツ観念論の最古の体系プログラム / 理性の神話 / シュヴ-ベン共和国 / テュ-ビンゲン契約
研究概要

1、当初計画にあって、今年度の研究は、初期ヘ-ゲルを主題的に取り扱うことで終始した。従来、若きヘ-ゲルが革命への感激から反省へと転換するとき、この事情はもっぱらフランス革命が恐怖政治に陥って行くというフランス国内の状勢変化との対応で考察されてきた。これに対して、私はヘ-ゲルは決してライン河を隔てて対岸の火事のように革命を見ていた訳ではなく、その余波を受けるドイツの政治情勢の変化、ことにヴュルテンベルク公国を改革しようというヘ-ゲルを含めての運動の挫折など、ヘ-ゲル自身の身辺の事情が顧慮されるべきであるとの観点から、この考察を進めた。具体的には、
2、「ドイツ観念論の最古の体系プログラム」と呼ばれる断片がある。ヘ-ゲルの筆跡に成るものではあるが、ヘ-ゲルの書き寫したものではないかとか、ヘ-ゲルの執筆時期も1796年夏とも、1797年初とも言われる問題の多い断片である。私はこの断片を当時進められていたヴュルテンベルク公国改革、シュヴァ-ベン共和国建設の運動との連関に立つ政治的パンフレットとしても読まれるべきではないかという予想から、その読解に努めた。この際、ことに民衆を啓蒙するものとしての「理性の神話」の考えを重視した。
3、ヘ-ゲルの社会倫理を理解するに当って、その実存的基盤ともなった彼の祖国ヴュルテンベルク公国の政治社会事情の理解を鈬かすことは出来ない。しかし、これはラント史に属するもので、従来わが国での研究は必ずしも十分ではない。私はテュ-ビンゲン契約以来の民会制度、それに宗教改革の事情など中心にその理解に努めた。
4、研究費の大半は、上記の研究を推進するために、最近のヘ-ゲル研究文献、フランス革命時のドイツ政治事情、ヴュルテンベルク史研究文献など購入するに使用された。

  • 研究成果

    (2件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (2件)

  • [文献書誌] 上妻 精: "ヘ-ゲルとショ-ペンハウア-" ショ-ペンハウア-研究(日本ショ-ペンハウア-学会機関誌). (1992)

  • [文献書誌] 上妻 精: "ドイツ観念論とニヒリズム" ドイツ観念論講座(ミネルヴァ書房刊)のうち. (1992)

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公開日: 1993-03-16   更新日: 2016-04-21  

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