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1991 年度 実績報告書

構造的目標期待理論から手段的協力行動理論へ

研究課題

研究課題/領域番号 03610030
研究機関北海道大学

研究代表者

山岸 俊男  北海道大学, 文学部, 助教授 (80158089)

研究分担者 篠塚 寛美  北海道大学, 文学部, 助教授 (30000615)
キーワード社会的ジレンマ / 囚人のジレンマ / ネットワ-ク / 協力行動 / シミュレ-ション / 公共財 / 戦略 / 実験ゲ-ム
研究概要

平成3年度には、当初の計画通り第1実験、第1シミュレ-ション、および第2シミュレ-ションが行われた。
第1実験の結果は、集団内部に未分化の関係から相互にコミットしあった関係ネットワ-クの発生するプロセスという観点から詳細に分析されており、非強制的であり何時でも解消できるというコミットメント関係の脆さが、逆にその関係の質を向上させているという、一見逆説的な興味深い結果が得られている。本実験は、お互いにPDの相手を選択し合うことの出来る「ネットワ-ク型囚人のジレンマ」に関する世界でも最初の実験であり、今回の実験で開発された方法自体も、今後の研究の発展に大きな意味を持ってくるものと考えられる。
第1シミュレ-ションの結果は、これまでの囚人のジレンマ研究の定説を覆す画期的なものであると言える。つまりこれまでの反復囚人のジレンマ研究においては、「応報戦略」が相互協力の達成に非常に有効に働くことが繰り返し証明されてきたが、今回のシミュレ-ションの結果は、強制的な反復PD関係ではなく、お互いにPDの相手を選び合う「ネットワ-ク型PD」においては、このような戦略的行動があまり大きな意味を持たない場合の多いことが明らかにされている。この点は、現実とより密接に対応しているネットワ-ク型PD研究の必要性を、はっきり示すものである。
第2シミュレ-ションの結果は、2次的ジレンマ解決のための「連動戦略」が自生するための条件を明らかにしている。ここでは詳しく紹介する余裕がないが、連動戦略が「進化」するのは、それが他の戦略に比べ特に有利なためではなく、それよりも不利な戦略を生み出すためであることが明らかにされた。

  • 研究成果

    (1件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (1件)

  • [文献書誌] 山岸 俊男: "Sociological Perspective.on Social Psychology 第7章.social Dilemmas" (1993)

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公開日: 1993-03-16   更新日: 2016-04-21  

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