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1991 年度 実績報告書

在日韓国・朝鮮人社会における先祖祭祀

研究課題

研究課題/領域番号 03610093
研究機関明治大学

研究代表者

孝本 貢  明治大学, 商学部, 教授 (60101333)

キーワード親族会 / 民族アイデンティティ / 定住 / 先祖祭祀 / 死者祭祀 / 墓
研究概要

韓国・朝鮮人が労働を求めて、あるいは強制移住によって日本に渡航して以来、70年以上経ている。本年度集中的に調査を試みた光山金氏親族会員においても、60歳以上の層では在日一世が83%を占めているが、それ以下の層では二・三世である。そして、母国語を全く理解できない者が40%を占めるに至っている。本国での生活の道も閉ざされ、日本を定住地と定めている。しかし、それは民族差別のなかで.けっして安逸なものではない。光山金氏親族会は相互扶助の目的をもって1954年に結成された。その後在日韓国人のおかれた不安定な状態と相俟って、活動も停滞していたが、1970年代に入り,日本への永住生活の方向が定っていくとともに、民族文化を継永させる目的がそなわり,活性化していった。民族アイデンティティの保持、さらには死者・先祖祭祀の永続という課題を背負った。本年度はこの問題を捉えるために、大阪で最も活発な活動を行っている在日光山金氏親族会員世帯の悉皆調査し大阪大学・塩原勉代表・一般研究A.研究課題「宗教世界のネットワ-キング」と共同調査)とあわせて、光山金氏親族会専用霊園の墓碑の調査を集中的に行った。その結果以下の知見をえた。
1.定住志向と相俟って日本での墓地造立は増大した。
2.親族会としては民族文化の継承の装置として専用霊園を位置付けた。祭祀儀礼の教化の場を目指した。
3.会員にとっては、相互親睦の機会として墓前祭祀を意味付けている。
4.個々の会員にとっては、墓は死者の埋葬地であり、それぞれの家族のおかれた事情によって、墓の意味付けは異なる。
5.そこで.親族会の意図と.会員家族の墓建立の意図との葛藤が顕在化している。

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公開日: 1993-03-16   更新日: 2016-04-21  

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