研究概要 |
本研究は「教育機会の均等化」から「教育成果の達成」へと基本的な政策の比重を移してきている現在進行中のアメリカ教育改革を対象として、アメリカ各州での州教育法改革を中心に積極化してきている州教育政策の動向と、それに対する地方学区の政策動向との関係の諸相を探ることを課著としている。とくに後者の地方学区での政策動向に着目しながら、教育改革のより具体的な実態を探ろうとしている。このような課題に応えるために地方学区の政策担当責任者である教育長を対象にしたアンケ-ト調査の実施を研究計画の主要な柱とした。 本研究は2年計画の研究であり、本年度はその初年度にあたる。このため、本年度はアンケ-ト調査のための調査標作成と、調査対象の抽出ならびに送付をそれぞれ行うことに主要な重点をおき、その目的を果たした。 アンケ-ト調査の項目は、関係の文献をもとに作成した。それは大別して、(1)教育改革動向に関すること、(2)学区の特性に関すること、(3)教育政策担当者の属性に関すること、のそれぞれの項目から構成した。これによって、教育改革の課題やその内容、社会的背景、改革を実施する方向、州や連邦機関との関係ならびにその状況認識、これまでの取組みについての評価と達成見通し、などといった教育改革動向と、併せてそれぞれの学区の特性ならびに政策担当者の属性との関係をも探ろうとした。 調査の対象は、最新のダイレクトリをもとに「ゾ-ン分け抽出法(sampling through zoning)」により、全国12,073学区のうちの12.6%にあたる1,519学区を抽出し、郵送による回収方法を採った。 次年度には、回収した調査標に基づいたアメリカ教育改革動向の分析に取りかかることになる。
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