研究概要 |
本研究においては,アジア諸国全体について,その教育開発政策を分析するとともに,そのなかからとくにタイ,フィリピン,バングラデシュを取り出し,詳細なケース・スタディを行った。その結果は,下記の4つの論文によってまとめられた。Morikazu Ushogi"Human Resource Development in Asia"はこれまでの研究をもとに,アジア地域における教育開発政策の課題を述べたもので,これは1994年5月三重大学で開催予定の国際シンポジウムにおいて発表する予定となっている。第二論文Naseer U.Jamadar"Education and its Role on Development in Bangladesh"は,政府によって展開される教育政策ばかりでなく,BRACなどのNGOの教育政策にも考察を広げながら,バングラデシュの基礎教育の構造と課題を分析したもので,これは1993年度に日本比較教育学会,日本教育社会学会,アジア政経学会において発表されたものである。第三論文 浜野隆「石油危機以降の教育停滞現象-発展途上地域における初等教育を中心に-」では,オイル・ショック後に現れた初等教育の停滞傾向に焦点を当てて,その現状と背景について分析を行ったもので,これは1993年度の日本教育社会学会で報告されたものである。第四論文,加藤徳夫「フィリピン・タイの基礎教育の普及に対する教育開発と協力援助-世界銀行による協力援助から多国間援助への移行」ではタイ・フィリピンを対象とする教育援助政策の展開を中心に,それが初等教育・中等教育に与えたインパクトについて分析を行ったもので,1994年2月に名古屋大学大学院国際開発研究科の修士論文として提出されたものである。
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