研究概要 |
本年度は研究の第2年度で,研究の成果をまとめる年であった。昨年度に続いて研究の整理と資料の収集に務めた。資料の収集に関しては,満州国の経済建設に関する資料で刊行されている図書を中心に購入した。「満州国」や満鉄に関しては内部資料をはじめ貴重な非公開資料の刊行が続いている。それらによれば「満州国」での政策立案過程や「5カ年計画」実施過程での満鉄のはたした役割などが具体的にわかるようになった。これらの図書を購入できたのは大きな成果である。また関東軍関係では,昨年購入した砲兵隊関係の貴重な資料を分析することに務めた。また関東軍関係の図書も購入できた。研究の整理としては,太平洋戦争期の満州に関する研究に限定してしまうと研究はあまり多くないので,かなり広い範囲で研究史の整理を継続した。 関東軍特種演習への参加部隊の確定とその師団に関する研究などを今年の課題としたが,刊行されている本での検討はある程度できたが,地方的レベルの研究までは十分にやりきれていない。また昨年購入した満州国支配で重要な役割をはたした後藤新平関係の資料のマイクロフィルムを検討したがかなり大変な作業であった。今年も水沢の斎藤実記念館などへ調査にいったが,雑誌やパンフレット,単行本など貴重な文献を閲覧・コピーできたことは成果であった。 今年は研究のまとめをする年であったが,十分分析が終わらず,今後の研究の基礎づくりの年になってしまった。研究の完成にまで到達できなかったのは残念であるが,今後の課題は明らかになったので,今後も継続して研究を進めて行きたい。
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