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1992 年度 実績報告書

熊野那智山の聖域構造と参詣形態に関する史的研究

研究課題

研究課題/領域番号 03610170
研究機関和歌山大学

研究代表者

小山 靖憲  和歌山大学, 教育学部, 教授 (50031802)

キーワード熊野信仰 / 熊野三山 / 那智山 / 旦那売券 / 摂津国豊島郡 / 熊野別当家
研究概要

本研究の目的は、熊野信仰を一種の聖地巡礼という観点から、その全体像を見通しつつ、熊野三山のうちでも那智山が室町・戦国時代には中心となることの歴史的意義を解明することにあり、次の二つの課題を設定した。
(1)那智山を描いた参詣曼茶羅十数本の伝来の経緯および構図・図像の異同関係を分析する。
(2)数百点にのぼる旦那売券を分析することにより、熊野信仰の全国的な広がりの実態を究明する。
平成4年度は、主に(2)の課題に取り組み、まず米良文書を中心に、原本・写本によって、公刊本の疑問点をただす作業を行った。ついで、その全体を全国的規模で分析する予定であったが、類似した研究が公表されたので、地域的な分析に急拠変更した。地域を大阪府下の旧豊島郡に限定し、先達を擁した在地の寺院と旦那である土豪の関係を究明することにした。その結果、中世に熊野信仰を地域に広めた修験系寺院の広汎な存在、あるいはその旦那となった従来あまり知られていない土豪の存在を明らかにすることができた。
この他、熊野三山がはたした政治史的役割が必ずしも明らかになっていないことに気づいたので、熊野別当家が源平内乱および承久の乱とどのようにかかわったのかという問題について、旧来の研究の誤りを正すことができた。
以上が、本年度の研究成果であるが、なお残された問題も多く、今後とも熊野三山の史的究明に取り組みたい。

  • 研究成果

    (2件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (2件)

  • [文献書誌] 小山 靖憲: "源平内乱および承久の乱と熊野別当家" 田辺市史研究. 5. 1-12 (1993)

  • [文献書誌] 小山 靖憲: "摂津国豊島郡の熊野旦那売券" 市史研究とよなか. 2号. (1993)

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公開日: 1994-03-23   更新日: 2016-04-21  

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