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1992 年度 実績報告書

英国絶対主義形成期における国際関係の研究

研究課題

研究課題/領域番号 03610200
研究機関鳴門教育大学

研究代表者

尾野 比佐夫  鳴門教育大学, 学校教育学部, 教授 (40071534)

キーワード絶対主義 / バラ戦争 / 政権交代 / 対仏大同盟 / フランス王国 / ブルゴーニュ公国
研究概要

今年度は、バラ戦争期=エドワード4世(リチャード3世を含む)の外交政策=国際関係を検討してきた。当該時代は、イギリス絶対主義の先駆的形態の現れた時期=絶対主義の成立期に当り、3度の政権交代をもたらしたが、そのいずれもが、フランス王国とブルゴーニュ公国がかかわっていた。ランカスリー朝ヘンリー6世の一時復位の際は前者、ヨーク朝エドワード4世の政権再興には後者(エドワード4世が一時政権の座を追われたのも、治世前半期の親ブルゴーニュ策が最〓)が支援した。バラ戦争最後の政権交代は、ヨーク朝からテューダー朝への移行であったが、テューダー朝ヘンリー7世政権誕生に貢献したのはフランス王国であった。エドワード4世は治世後半、対仏包囲網(封じ込め)政策から対仏戦争、有利な和平協定締結(フランスから膨大な賠償金・年金を得る)を行い、国家財政を豊かにした。そのため、王権中心の統治体制をつくることが出来た。しかるに、彼の治世後半の外交政策は絶対主義的統治体制の実現に成功する一方、テューダー朝誕生の土壊をの譲成したのである。彼の外交政策は、フランス王国とブルゴーニュ公国の勢力均衝の上に立って成り立つものである故、公国が解体すると、フランスが強大化し、これまでの外交政策の施行が不可能になった。フランスはランカスター家と密であり、同系のテューダー家を支援するのである。かくして、バラ戦争期の政権交代には、王国、公国が関与、或面、影響力を発揮したが、後者の解体はヨーク朝外交政策の基軸の一角を崩し、同朝滅亡への道を開いたともええよう。ここに、バラ戦争期の国際関係は、イギリス絶対主義国家の成立過程に重要な位置を占めたと結論づけることが出来よう。

  • 研究成果

    (1件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (1件)

  • [文献書誌] 尾野比 左夫: "バラ戦争期におけるイギリス国際関係の特質" 鳴門教育大学研究紀要(人文・社会科学篇). 8. (1993)

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公開日: 1994-03-23   更新日: 2016-04-21  

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