研究概要 |
1.原文解読上の問題 「玉塵抄」巻九の入力が完了したが、この過程で同表記異語は、よみを施す上で問題になるので、既に入力済の本文データベースと、未入力本文からの用例採集により従来の知見を補強した。又、原漢文部分の訓読に就き、特に毛詩(詩経)の清原家訓読と対照させて、抄者惟高妙安訓読の典拠に基づき検討した。(以上、詳細は冊子体報告書第1章に記述)。 2.データ形式のSGML化の考慮 「玉塵抄」本文データの入力形式として、従来は、独自の階層型データ形式を取ってきたが、ISO(国際標準化機構)規格(ISO-8879)SGMDにかなりの程度適合する事が判明したので、SGML化可能かどうかを検討した。この結果、文献学的に厳密なデータ表現は、SGMLの仮定する三前提である階層性・線条性・即値と属性の分離のいすれもに対し矛盾する性質を持つ事があり、現状のSGMLでは表現手段として非力である事が判明した。(以上、詳細は冊子体報告書第2章)。 この為、必要があれば容易にSGMD,(及びその文献学への応用指針であるTEI(Text Encoding Initiative))に再変換出来る様な考慮を施しつつも、独自に拡張した方法でテータ形式を改編し、過年度のデータファイルを再変換した。(以上、詳細は冊子体報告書第3章)。
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