本研究は、日本語・朝鮮語と英語という大きな】ラロ-タ的変異と、日本語・朝鮮語という大きな類型的グル-プの中でのより細カイパラメ-タ的変異を研究することにより、これらの言語間の差異が一般言語学的にどのように位置づけられるかを明らかにし、これらの言語の記述の精度を飛躍的に上げるとともに、言語間の可能な差異に関する一般言語学的貢献をしようとするものである。本年度は、その準備作業として、おもに朝鮮語・日本語と、英語の現象面での相違点を明らかにすることを目的として調査・研究を進めてきた。調査した現象としては、以下のものがあげられる。 1)名詞、代名詞(有形、無形)の照応関係に関わる現象 2)否定、疑問、等のスコ-プと階層的構造との相関関係に関わる現象 3)談話照応等の談話的現象と統語規則、意味解釈規則との相関に関わる現象 4)指示詞を中心とする指標表現と情報の帰属領域に関する現象 5)談話マ-カ-と文構造の相関 本年度の研究により、これらの現象のあるものは、独立しておきているのではなく、相関があることがあきらかになり、原理的なパラメ-タの取り出しの可能性を次年度にさぐることができるようになった。以上の成果を、雑誌論文、研究会、シンポジウム、書籍を通じて発表、あるいは、発表予定である。
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