研究概要 |
本研究は,従来のドイツ憲法研究ではほとんど検討がなされてこなかった,アメリカ合衆国憲法がドイツ憲法(とりわけ1849年のいわゆりフランクフルト憲法)の成立・発展に及ぼした影響関係に焦点を当てて,これを明らかにするという目的をもつものであり,その性質上,関係資料の入手とその検討を主たる作業とする。すでに平成3年度には,未入手の関連資料を相当数入手し,現在もさらにその入手に努めているが,十分な資料の入手に思わぬ時間がかかり,それらを十分に検討して具体的な成果を発表するまでは至らなかったので,その成果の発表は平成4年度に行なうこととし,いくつかの具体的な計画を立てている。また,平成3年10月に短期の渡独の機会を得た際,フランクフルト・アム・マイン市では,本研究に直接かかわる1849年憲法の成立に関する若干の資料も入手することができたほか,ベルリンやライプツィヒでは,憲法学者とくに憲法史家に面会して学問的交流を深め,また本研究の遂行に必要な資料の提供も受け,重要な示唆を受けることができたので,これらの知見も成果の発表の際に取り入れたいて思っている。加うるに,現在までの研究の過程で,さらに今後の検討課題とすべき問題として認識していることは,アメリカ合衆国憲法の成立・発展に及ぼした大陸ヨ-ロッパ(たとえばルソ-やモンテスキュウ)の法思想のうちで,アメリカ合衆国における発展を経由してドイツに与えたものと,アメリカ合衆国を経由する前に直接にドイツに影響を与えたものが,どのように相互に関連し,あるいはどのように相違しているか,ということであり,併せて検討する機会があればと願っている。
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