戦後日米経済摩擦についての時系列的なミクロ・マクロ分析

1991 年度 実績報告書

• 研究課題/領域番号: 03620029
• 研究機関: 筑波大学
• 研究代表者: 佐藤 英夫 筑波大学, 社会工学系, 教授 (50154084)
• キーワード: 国際システム / 政府内政治過程 / 国内政治過程 / 二国間相互作用 / マクロ分析 / ミクロ分析 / 同盟外交 / 経済摩擦

研究概要

平成3年度は、日米経済摩擦についてのマクロレベルの時系的分析に重点を置き、研究発表欄に挙げてある数本の論文と著書を出版した。ちょうど冷戦が終焉し、ソビエト連邦が解体するという現実の国際システムの構造的変革が急速に進行してきたこともあり、当研究プロジェクトのテ-マについて国際大学、同志社大学、日本国際政治学会、韓国外交安保研究院,ブルッキングズ研究所主催によるドイツでの国際会議等、内外の研究フォ-ラムで発表する多くの機会を得た。また、アメリカ、ドイツ、オ-ストリア、韓国、台湾の研究者と有益な意見交換をすることができ、貴重な関係資料も収集した。
日米摩擦のミクロレベルの分析についても、過去に行った幾つかのケ-ス・スタディ-の経験を踏まえて自動車、半導体、FSX(次期支援戦闘機)、日米構造問題協議について分析を行ったが、その成果の一部は既に『日米経済摩擦』に盛り込まれている。米国における対外経済問題を巡る立法過程、国内政治過程の詳細な分析を今まで引き続いて行っている。
なお、ミクロとマクロの両方の視点に立った日米関係の分析を現在まとめており、本年4月上旬にコロンビア、ハ-バ-ド両大学で発表することになっている。
平成4年度においては補足的な調査とさらに本格的な論文作成(日本文、英文による)活動に専念する。具体的には本研究プロジェクトの枠組みに則ったかたちで、独自の研究を完成させると同時に、国際大学、米国ジョ-ジタウン大学、米国クレアモント・マキナ大学等との共同研究プロジェクトで関連論文を執筆する予定である。

研究成果

• [文献書誌] 佐藤 英夫: "「新国際システム変貌期の日米関係」" 『OUTLOOK』日米関係研究報. 11/12. 109-120 (1991)
• [文献書誌] Hideo Sato: "“Japan's Role in the PostーCold War World"" CURRENT HISTORY. 50. 145-148,179 (1991)
• [文献書誌] Hideo Sato: "“The Emerging Role of Japan in the World Economy"" The International Spectator. 26. 75-102 (1991)
• [文献書誌] Hideo Sato: "“Maintaining Peace and Prosperity in East Asia After the Cold War and the U.S.Economic Hegemony"" The Korean Journal of International Studies. 27. 15-34 (1991)
• [文献書誌] Hideo Sato: "“A Systemic Analysis of Foreign Policy:The Case of U.S.Policy Toward Japan"" JAIR International Newsletter. 3. 3-7 (1991)
• [文献書誌] Han SungーJoo,ed.,Hideo Sato: "The Present and Future of KoreaーJapan Cooperation(Political Economic Changes in East Asia:ForeignーPolicy Implications for Japan and the United States)" Seoul:Asiatic Research Center,Korea University, 41-58 (1991)
• [文献書誌] 佐藤 英夫: "日米経済摩擦1945ー1990" 平凡社, 235 (1991)
• [文献書誌] 細谷 千博,本間 長世編,佐藤 英夫著: "日米関係史,第7章「国際システム変革期の日米関係」" 有斐閣, 15 (1991)