平成4年度も日米経済摩擦についてマクロレベルの分析に重点を置いて研究を進め、以下のような実績をあげた。 (1)ハーバード大学、イタリア国際問題研究所、NIRA(総合研究開発機構)の共同研究の一貫として、変貌する国際システムと日本の役割について英文で論文を執筆した。国際政治経済構造の変化、特に東西関係の緩和から冷戦に至るまでの変化及び世界経済における米国の相対的地位の低下等によって世界経済における日本の相対的地位が向上し、理論的及び実証的立場から日本が果たすべき役割とそれを巡る国際政治問題についてまとめたものである。 (2)カリフォルニアのクレアモント・マケナ・カレッジで開催された日米関係についてのシンポジウムで発表した論文を出版した。国際システムの構造的変化という視点から日米関係を巡る諸々の課題について分析したものである。 (3)日本国際問題研究所で発行する英文雑誌『Japan Review of International Affairs』の1992年特集号に論文を掲載した。国際政治経済システムの変貌という視点から日本のアジア太平洋地域における役割についてまとめたものである。 (4)細谷千博教授の古稀記念論文集のために(1)に手を加え日本語版で執筆した。 なお、ミクロとマクロ両方の視点に立った日米関係の分析をまとめ、平成4年4月上旬にコロンビア、ハーバード両大学で発表した。 (5)平成3年度及び平成4年度の研究成果のうちから代表的な論文(もしくは本の章)を選び、マクロ、ミクロ、マクロ・ミクロの3つの範疇に分類し、一冊の成果報告書として集めた。
|