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1992 年度 実績報告書

経済時系列モデルに関する統計的推測の理倫と応用

研究課題

研究課題/領域番号 03630015
研究機関広島大学

研究代表者

前川 功一  広島大学, 経済学部, 教授 (20033748)

研究分担者 藤越 康祝  広島大学, 理学部, 教授 (40033849)
小滝 光博  広島大学, 経済学部, 助教授 (00194564)
高林 喜久生  広島大学, 経済学部, 助教授 (10226912)
北岡 孝義  広島大学, 経済学部, 教授 (60116572)
キーワード非線型回帰 / co-integration(共和分) / unit root(単位根) / error correction / 成長曲線 / マクロ計量モデル / 政府支出 / 自己回帰モデル
研究概要

本継続研究の平成4年度における実績としては、裏面に示されている4編の論文および以下に示された、2、3の進行中の研究を挙げることができる。まず、裏面の欄外に示された論文番号順に概要を示す。
(1)は、ダービン・ワトソン(DW)検定統計量が、経済時系列における単位根の検定にも適用できることを示し、ランダムウオーク モデルのもとでDW統計量の厳密分布の計算法を提案し、その方法によって厳密分布を計算し、分布の特徴を調べたり、実際に検定を行う際に実用的な分布表を作成した。この論文はJournal of Econometricsに採択され近く同誌に掲載される予定である。(前川)
(2)国民経済計算の一般政府を構成する中央政府、地方政府、社会保障基金の間の財政関係について期間別に数量分析を行った結果、中央政府(国)の財政赤字の変動に対して、マクロ経済の動向などとともに政府間の資金移転(財源配分)がきわめて大きな影響を与えていることが示された。(高林)
(3)は、非定常自己回帰モデルおよび共和分モデルの統計的漸近理論に関するものである。基本的な発想は、適当な変換により非定常系列を定常系列に直したうえで統計的推測を行うことの有効性を、いろいろな角度から論じたものである。(小滝)
(4)は最近の成長曲線の統計理論の発展を、著者(藤越およびC.R.Rao)の前年度の実績を踏まえつつサーベイしたものである。このサーベイでは、とりわけ前年度の実績に示された、成長曲線モデルにおける変数選択に関する統計的推測の個所に独自性がある。
以上の他に、各研究者とも現在、研究を継続中でありそれらの多くは、来年度中には論文として完成する予定である。例えば、前川は新しい単位根の検定方法を考案し、現在その方法の有効性を検討中である。その一部は“Prewhitened unit root test"として2、3の全国的規模での研究会で報告された。同じく前川は、非線形回帰モデルの撹乱項の系列相関の検定についても前年度の成果をさらに拡張し、また昨年扱った方法とは別な検定法を提案する準備を進めている。また前川、北岡、高林らは以上で得られた知見を援用しつつ、金融資産価格(主として株価)変動の消費への効果の実証的に研究着手した。

  • 研究成果

    (4件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (4件)

  • [文献書誌] Koichi Maekawa Hiroyuki Hisamatsu: "The Distribution of the Durbin-Watson Statistic in Integrated and Near-Integrated Models" Journal of Econometrics. 55. (1993)

  • [文献書誌] 高林 喜久生: "政府間財政の変動分析" 広島大学 経済論叢. 16(4). 69-88 (1993)

  • [文献書誌] Mitsuhiro Odaki: "On Some Transformations for Achieving Stationarity and Invertibility in Cointegrated Systems" 広島大学 経済論叢. 16(4). 89-104 (1993)

  • [文献書誌] 藤越 康祝: "多変量解析の最近の動向" 数理科学. 31(4). 60-66 (1993)

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公開日: 1994-03-23   更新日: 2016-04-21  

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