1 平成3年度研究実施計画で予定された予備調査を基にして、業種毎に代表的な個別事例を取り上げ、実態調査および比較分析を行った。実態調査は聴取り・資料収集を中心として行った。実態調査の課題は、(1)経営管理機構についての資料を収集すること、(2)〈自主生産事業組織〉における構成員相互の関係や日常の労働のありかたなどの実態の領域とを解明することであった。 2 柳沢・内山両名の共同の実態調査研究によって得られた知見をもとに、研究成果を公表した。消費生協を母体として形成された自主経営労働者集団の調査研究として、柳沢敏勝「ワ-カ-ズ・コレクティブ運動の問題提起」、タクシ-会社の労働組合による自主経営の実態分析として、内山哲朗「労働組合の自主経営闘争」(いずれも『大原社会問題研究所雑誌』394号、平成3年9月、所収)、および内山「労働者協同組合の基本的性格」(『仕事の発見』19号、平成3年9月)である。 3 これらの実態調査を含む共同研究の成果についての意見交換を目的に、学会にて報告した。平成3年10月に開催された日本協同組合学会第11回大会での個別報告、柳沢「協同組合内労働のあり方について」、内山「協同組合と労働組合運動ーー長野県厚生連労働組合の事例研究ーー」である。 4 なお、今年度は実態調査を中心に研究を進めてきたが、意識調査の実施についての若干の遅れを別とすれば、概ね平成3年度の研究は「実施計画」通り進捗したと判断している。次年度は意識調査を実施し、研究計画の遂行に遺漏のないよう配慮する予定である。
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