研究課題/領域番号 |
03640015
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研究機関 | 埼玉大学 |
研究代表者 |
中村 良郎 埼玉大学, 教育学部, 教授 (30018965)
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研究分担者 |
金本 良通 埼玉大学, 教育学部, 助教授 (50106051)
木村 孝 埼玉大学, 教育学部, 助教授 (00195364)
道工 勇 埼玉大学, 教育学部, 助教授 (60207686)
後藤 達生 埼玉大学, 教育学部, 教授 (10015555)
若松 隆義 埼玉大学, 教育学部, 助教授 (00192435)
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キーワード | 2次形式 / ウイット環 / フィスタ-次元 / 非形式的実体 |
研究概要 |
0.2次形式の整数論の研究ウイット環の構造を明らかにすることが重要で体との関連においてその性質を明らかにすることを本研究の主な目的としていた所であるが、本年度各研究分担者と共に各地の大学、研究集会などに出かけて、研究、打ち合わせ、討論などを重ね、多くの研究成果をあげることができた。 1.ウイット環と関連する体Kの重要な定数であるフィスタ-次元Pf(K)については、体のレベルs(K)との関係でKが非形式的実体の場合に(i)Pf(K)=s(K)または(ii)Pf(K)=s(K)+1の何れかであることが既に知られているが、(i),(ii)の何れになるかについては非常に難しく少数の体Kについてしか知られていない。本研究では有理数体Q上の体K=Q(x_1,x_2,…,x_n)(-(x_1^2+x_2^2))^<1/2>のレベルについての結果を利用して、このn=2の場合にPf(K)=s(k)+1=3であることを証明した。この際、計算機による解析的研究での実験例も非常に有用であった。 2.対称多元環のJー根基を台基で割った加群をVとおくときVは非退化対称2次形式V*V→kをもち、逆にこのような加群から対称多元環が構成される。2次形式のウイット環の定義をこのような加群の場合に自然に拡張して対称多元環の様子を知ることができる。この考え方は、さらに一般的にフロベニウス多元環など自己移入的多元環にも適用可能であり、これにより種々の有用な具体的例を与えることができた。これらの結果は、研究分担者若松により、数理解析研究所での研究集会「有限群と有限次元多元環の表現論」および中国桂林での「第1回日中環論シンポジウム」で発表された。 3.その他、位相数学的立場から後藤はSitnikovによる次元論での結果を精密化し、また道工は関数方程式論的立場からmultingale手法を用いてfluctuation processの極限定理を導き、それぞれ発表の予定である。
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