研究分担者 |
深谷 賢治 東京大学, 理学部, 助教授 (30165261)
河澄 響矢 東京大学, 理学部, 助手 (30214646)
中島 啓 東京大学, 理学部, 助手 (00201666)
坪井 俊 東京大学, 理学部, 助教授 (40114566)
落合 卓四郎 東京大学, 理学部, 教授 (90028241)
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研究概要 |
数年前より継続していた研究がようやく一区切りがつき,「種数の高いリ-マン面の特異ファイバ-の位相形は,そのまわりのホモトピ-的モノドロミ-で決定される」という定理の詳しい証明がほぼ完成した。すでに,約300枚の手書き原稿を用意した。この定理の厳密な証明の副産物として,「代数的に有限な曲面写像類」(ニ-ルセン,1944)の共役類の完全な不変量が得られた。この結果によって見直すと,ニ-ルセンの主定理には一部修正すべき所のあることがわかった。以上の結果を利用して4次元ファイバ-空間の位相を調べるためには,「普通ファイバ-空間」の構造を調べることが必要である。この方向は,タイヒミュ-ラ-理論及びデリ-ン・マンフォ-ドのモジュライ空間のコンパクト化理論と関連する。 研究分担者による関連する成果について述べる。河澄響矢はリ-マン面上の複素解析ベクトル場のコホモロジ-の計算方法を見出した。これは,モジュライ空間のコホモロジ-に関係する。また中島啓はALE空間上の反自己双対接統のモジュライ空間のホモロジ-の計算公式を発見した。坪井俊はゴトビオン・ベイ不変量の定義に関する研究を行い,十分一般的な結果を得た。また,深谷賢治は,フレア-・ホモロジ-理論について詳しい研究を行い,2つの3次元ホモロジ-球面M_1,M_2に対して,M_1とM_2の連結和M_1#M_2とM_1およびM_2のフレア-・ホモロジ-を結びつけるスペクトル系列を構成し,いくつかの例について計算を行なった。
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