研究課題/領域番号 |
03640084
|
研究機関 | 東京都立大学 |
研究代表者 |
吉田 朋好 東京都立大学, 理学部, 教授 (60055324)
|
研究分担者 |
佐藤 好久 東京都立大学, 理学部, 助手 (90231349)
大原 淳 東京都立大学, 理学部, 助手 (70221132)
佐々井 崇雄 東京都立大学, 理学部, 助教授 (00094269)
笹倉 頌夫 東京都立大学, 理学部, 教授 (20087026)
荻上 紘一 東京都立大学, 理学部, 教授 (10087025)
|
キーワード | 低次元トポロジ- / 3次元多様体 / ゲ-ジ理論 / ベクトル・バンドル / 結び目理論 / フラクス型微分方程式 |
研究概要 |
3次元ホモロジ-球面に対して、Floerにより定義されたいわゆるインスタントンホモロジ-は4次元多様体のDonaldson不変量を調べる上で、重要な役割を持つ位相不変量であるが、非可換ゲ-ジ理論を用いた定義のため、具体的な計算は大変むつかしい。この困難さがインスタントンホモロジ-研究の上の大きな障害になっている。当科研費による研究において。吉田はインスタントンホモロジ-にあらわれるスペクトラルフロ-をマズロフ指数によってかきあらわす公式を見出し、スペクトラルフロ-の概念的意味づけを明らかにした。又、結び目のデ-ン手術により得られるホモロジ-球面の場合には、この公式により、多くの場合にインスタントンホモロジ-を計算するためのアルゴリズムが存在することを示した。これとは別に、吉田は双曲3次元多様体の変形空間の無限遠点に対応する非圧縮曲面の幾何学的構成を行った。これはCublerーshalenによる代数的理論の幾何的側面の新しい解釈を与えるものである。笹倉は代数多様体上の低ランクのベクトルバンドルの構成方法を発見した。これは代数幾何及び数論にも興味深い仕事であり、ヌゲ-ジ理論との関連も期待される。大原は3次元球面内の結び目のエネルギ-汎関数で非常に性質の良いものの族をつくり出した。これは最近のフリ-ドマン等の3次元場の理論と結びついて今後の発展が見込まれる。佐藤は4次元多様体の中の2次元結び目について、結び目の補空間の位相同型類と結び目型の関係について幾つかの結果を得た。佐々井はフラクス型微分方程式のモノドロミ-に関する一連の研究に成果をあげている。以上の仕事は、低次元トポロジ-、結び目理論、代数及び複素解析幾何にわたる相互に内在的関連を持った研究成果である。
|