研究課題/領域番号 |
03640112
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研究機関 | 北海道大学 |
研究代表者 |
中路 貴彦 北海道大学, 理学部, 教授 (30002174)
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研究分担者 |
高橋 勝利 北海道大学, 理学部, 助教授 (60133774)
林 実樹広 北海道大学, 理学部, 助教授 (40007828)
勝股 脩 北海道大学, 理学部, 助教授 (40032825)
井上 純治 北海道大学, 理学部, 教授 (40000856)
越 昭三 北海道大学, 理学部, 教授 (40032792)
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キーワード | 多重円板 / Hardy空間 / 不変部分空間 / Wold分解 / 交換子 / 掛算作用素 / Beurlingタイプ |
研究概要 |
n多重円板のHardy空間H^2の座標関数の掛算で不変な部分空間を分類し描く問題を研究した。n=1のときはBeurlingによって完全に描かれたが、その結果は様々な分野に影響を与え、きわめて有名である。n〉1のときは知られている事はほんの少しで、完全に分類したりそれを描くことは不可能であると思われている。今日n=1のときのBeurlingの結果はWold分解から難しくなく導びかれることは知られている。(1)この研究ではWold分解の多変数的分解を定義し、Wold分解をもつ不変部分空間を完全に描いた。このタイプは必ずしもBeurlingタイプではない。これは同次多項式の生成する不変部分空間に深く関係している。(2)n=2のときは座標関数によって定義される2つの可換なシフト作用素V_1,V_2があるがその交換子V_1V_2^*ーV_2^*V_1を道具として不変部分空間を分類研究した。V_2V_2^*ーV_2^*V_1=0のときはBeurlingタイプとなる事を示した。V_1V_2^*ーV_2^*V_1がfinite rankのときに研究し不変部分空間を分類した。(3)各H^2の不変部分空間Mに対し、掛算作用素のなす空間が定義されるが、これはH^∝=H^2∩L^∝を含むL^∝の不変部分空間になる。これのL^2での閉包はもともとの不変部分空間と比較して、きわめて簡単な構造をもつことを示している。さらにこの不変部分空間はMとH^2の間にあ典型的な(構造が簡単な)不変部分空間Mと密接に結びつくことが示されている。MはMと一致するときも、異なるときもあるが、M=Mとなるための条件が研究され、有限個のBeurlingタイプの共通部分はM=Mとなることが示されている。またM=H^2となるための条件と具体例が研究されている。
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