研究分担者 |
森本 芳則 京都大学大学院, 人間環境学研究科, 助教授 (30115646)
西山 享 京都大学, 総合人間学部, 助教授 (70183085)
加藤 信一 京都大学, 総合人間学部, 助教授 (90114438)
河野 敬雄 京都大学, 総合人間学部, 教授 (90028134)
笠原 晧司 京都大学, 総合人間学部, 教授 (70026748)
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研究概要 |
本研究の目的は,双曲型方程式の解の構造,微分方程式の解の接続問題の研究の進展の為,偏微分方程式論はもとより,関数論,表現論,確率論など,関係ある多方面からの協力,問題提起を得て総合的研究を行うことである。偏微分方程式論の分野では,無限次に退化した準楕円型方程式の特殊な例が構成され,確率過程論では自己相似過程の研究に進展があった。更に表現論ではヘッケ環の研究,特殊ユニタリ超代数の研究で進歩があった。より具体的には,[1]ではFefferman-PhongがSchrodinger作用素-△+V(χ)の固有値評価の為に用いたL^2評価式の高階退化楕円型作用素への拡張と一般化を与えた。得られた評価式をある種の無限次退化楕円型作用素の準楕円性の証明に用いた。[2]では,自己相似過程に関わる,見本関数のヘルダー連続性,ブラウン運動その他の性質を総合的にまとめた。国立台湾大学での集中講義をもとにしたものである。[3]ではヘッケ環の表現の双対が自己同型より得られることを示している。[4]では特殊ユニタリ超代数su(p,q/n)のすべてのユニタリ表現の分類を行うと同時に,超双対の理論を用いてFock空間上にユニタリ表現を具体的に構成している。その過程で,Clifford代数に値をとる偏微分作用素の理論,ある種の不変式論の具体的な例が提示されている。この論文では,特殊ユニタリ超代数についてそのユニタリ表現は最高ウェイト表現であるという事実が利用されている。
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