研究課題/領域番号 |
03640156
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研究種目 |
一般研究(C)
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
解析学
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研究機関 | 奈良教育大学 |
研究代表者 |
河上 哲 奈良教育大学, 教育学部, 助教授 (20161284)
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研究分担者 |
浅井 照明 奈良教育大学, 教育学部, 助教授 (60094497)
菊池 徹平 奈良教育大学, 教育学部, 教授 (50031589)
神保 敏弥 奈良教育大学, 教育学部, 教授 (80015560)
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研究期間 (年度) |
1991 – 1992
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キーワード | フォンノイマン環 / 作用素値ウェイト / 条件付き期待値 / 指数 / エントロピー / 正則関数環 / 擬凸領域 |
研究概要 |
作用素環分野では、フォンノイマン部分環の包含関係について、その包含関係の記述に本質的に寄与する概念を探求し、既約な包含関係への還元論を完成させた。まず、フォンノイマン部分環の包含関係の枠組として、半有限型包含関係と有限型包含関係を定義し、その性質と特徴付けについて明確にした。また、包含関係の解析に必要となる作用素値ウエイトのRadon-Nikodym微分や直積分分解について、その諸性質を調べ整理した。更に、半有限型包含関係にあるフォンノイマン環の組M⊃Nに対し、MからNへの作用素値ウエイトEのstandard対応として得られるN′からM′への作用素値ウエイトE′の重要性に着目し、そのチェインルールの成立を証明した。その結果を用いて、MからNへの作用素値ウエイトEの指数型微分(indicial derivative)を定義し、その諸性質を調べ、諸公式を導き、指数型微分のチェインルールが成立する事も示した。他方、半有限型包含関係にあるフォンノイマン環の組M⊃Nに対し、自然に定まる作用素値ウエイトWの存在と一意性を示した。それらの応用として、次の成果が得られた。(1)一般的な状況のもとで、M⊃Nの包含関係が指数有限型の時、MからNの上への最小指数型条件付き期待値の存在と一意性(日合の結果の拡張)が自然でしかも平易に導ける。(2)Mが因子環の時、その部分環L⊃Nに対し、上述のM⊃LとL⊃Nに対する各々の最小指数型条件付き期待値の合成はまたM⊃Nの最小指数型条件付き期待値である(幸崎-Longo)事も容易に導ける。(3)有限型フォンノイマン環に対し、いつ、PimsnerとPopaの定義したエントロピーの加法性が成立するのかという問題の解答を与えた。 また、関数環分野では、〓^nの有界な擬凸領域Dをその強擬凸境点で横切るハイパーサーフェス△がある場合に、正則関数環A(△∩D)の零集合が正則関数環A(D)の峯補間集合になる事を示した。
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