研究概要 |
発展方程式に対する初期値問題が適切であるための必要条件及び十分条件を求めることを研究目的としてきた。 研究代表者は,退化放物型方程式に対し適切であるための必要条件,特に,放物型方程式の特徴づけ,半群の理論による特徴づけを目標として研究してきた。今年度は直接的成果は得られなかったが,予備的考察により様相が少し明らかになったのではと考えている。 分担者の猪狩は、特性的初期征問題を考察して,二重特性的集合を持つ偏微分作用素の特性曲面と特異解について研究し,二重特性的集合の幾何的性貭の重要を明らかにした。 天野は,等角写像の数値解析的研究を,代用電荷法に基づいて考察した。与えられたジョルダン曲線の内部から単位円内部へ,外部から単位円外部へ,二重連結領域から円環領域へと3種の等角写像の統一的な数値計算法を定式化した.数値実験の結果,この方式は従来の方法より高い数値解を与えることがわかった。 一ノ瀬は、シュレディンガ-型方程式に対する初期値問題を考察し,非有界なポテンシャル項をもつ場合に,L^2適切であるための必要条件と十分条件が,古典軌道から定まることを示した。 以上の結果は,裏面に記するように現在投稿中であり,それぞれの雑誌に掲載予定である。 研究代表者及び分担者は、それぞれの分野の研究集会,シンポジュ-ム等に参加し,講演し,他の研究者との討論の場を持った。これらは大変有益であり,理解を深めるのに役立った。来年度も,今年の研究をふまえて,研究を推し進めていきたい。
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