今年度は、銀河系外天体の短ミリ連続波スペクトル領域観測および、短ミリ波偏波観測の準備的研究として以下のことを行った。 1.観測対象とする電波源の候補を選定するため、われわれが作成している系外銀河天体の電波強度・偏波観測デ-タベ-スを約20万件から約30万件へと拡充した。 2.観測候補電波源の構造、電波放射機構、磁場構造などの間の関係を明確にする準備として、天体の電波強度マップ型観測デ-タを計算機から検索し、図形として表示できるデ-タベ-スを作成した。今回は、特に、われわれが1980年代半ばに発見した偏波面が大きなファラディ回転測度(RM)を示す天体の偏波観測との関係を明確にするため。急なスペクトル指数を示しながら放射領域が小さい(CSS)天体の観測デ-タを中心に約500個の銀河系外天体について、約1500枚の電波構造マップと全電波強度スペクトル図を結合したデ-タベ-スとした。 このようなマップ型デ-タとスペクトル図を同一のシステムが検索するシステムは、双方の観測デ-タベ-スを作成している研究者でなければ作成不可能であり、今回われわれが初めてである。 3.設備備品として購入したワ-クステ-ションにより、次年度計画で観測に使用する7mm波半波長移相板の設計および、3mm波半波長移相器の性能改善(観測可能波長域の拡大等)のためのシミュレ-ション実験を行った。
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