活動的天体のミリ波観測

1992 年度 実績報告書

• 研究課題/領域番号: 03640243
• 研究機関: 宇都宮大学
• 研究代表者: 加藤 龍司 宇都宮大学, 教育学部, 助教授 (30152721)
• 研究分担者: 田原 博人 宇都宮大学, 教育学部, 教授 (50012878)
• キーワード: 偏波観測 / 電波源データベース / ミリ波観測

研究概要

銀河系外天体の短波長偏波観測の結果について、解析およびその中からいくつかの天体についてより高精度な観測を計画し以下の研究を行った。
1.長波長領域での観測しか存在しなかった3C123について、電波で最も短波長における観測である波長3ミリにおいて観測し、電波源の構造を明かにし、他の波長領域の観測結果と比較し、微細な構造ごとの輻射スペクトルを明かにした。
2.10GHzでの偏波観測の結果、偏波面が比較的大きなファラディ回転測度(RM)を示す天体として見つけた電波源3C194、3C318について、米国VLAにおいて波長3cmの高分解能観測により、電波源内部における磁場構造を明かにし、3C194については、電波源のまわりのガスと磁場の圧縮に起因するとの結論にいたった。また、CSS電波源は、観測からまわりのガスとRMから推測すると比較的若い天体であるとの知見をえた。
3.中心核からの電波が支配的な電波源について電波強度をもとに完全サンプルを作成し、波長3cmにおいて偏波観測を行い、その結果を統計的にまとめた。
4.我々は、RMの非常に大きな電波源4個を世界で始めて発見したが、CSS天体などについて、これ以外についても存在するかどうかを観測方法の改良、データ解析方法の開発を含め観測・解析し、4個以外に非常に大きなものは存在しないことを確認した。

研究成果

• [文献書誌] Okayasu,R.: "Aperture Synthisis Observations of the Radio Luminous Galaxy 3C123 at 98 GHz." Publ.Astron.Soc.Japan. 44. 335-340 (1992)
• [文献書誌] Taylor,G.B.: "Anomalous Rotation Measures of the Radio Galaxy 3C194." Astron.Astrophys.264. 415-420 (1992)
• [文献書誌] Taylor,G.B.: "Anomalous Rotation Measures of the Compact Steep Spectrum Source 3C318." Astron.Astrophys.264. 421-427 (1992)
• [文献書誌] Okudaira,A.: "Radio Polarization Observations of a Complete Samle of Core-Dominated Radio Sources." Publ.Astron.Soc.Japan. 45. (1993)
• [文献書誌] Inoue,M.: "Search for High Rotation Measures in Extragalactic Radio Sources I.Multichannel Observations at 10 GHz." Publ.Astron.Soc.Japan. 45. (1993)
• [文献書誌] Aizu,K.: "Search for High Rotation Measures in Extragalactic Radio Sources II.Determination of Rotation Measures." Publ.Astron.Soc.Japan. 45. (1993)