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1991 年度 実績報告書

分子線によるケフェウス座分子雲複合体の高感度広域観測

研究課題

研究課題/領域番号 03640245
研究機関東京学芸大学

研究代表者

佐藤 文男  東京学芸大学, 教育学部, 助教授 (70154094)

研究分担者 泉浦 秀行  東京学芸大学, 教育学部, 助手 (00211730)
キーワード星間物質 / 星間分子雲 / 暗黒星雲 / 星形成
研究概要

ケフェウス座分子雲複合体内にある暗黒星雲L1251には、2個の低温赤外線源を駆動源とする2個の双極分子流があって、ここで最近星が生まれたことが私達の研究で明らかになっていた(Sato&Fukui1989,Ap.J.,343,773)が、名古屋大学理学部の4m短ミリ波望遠鏡に低雑音のSIS受信機が搭載されたのを機に、この暗黒星雲を ^<13>CO(J=1ー0)線で再観測した。グリッド間隔は110GHzでの4m望遠鏡の分解能2.7´を充分に活かす2´である。カバ-した領域は約2.2°×0.9°、観測点総数は約1800であった。観測の結果、この星雲は高密度の頭部とそれから長くたなびいた低密度の尾部とから成る彗星状の形態を持つことがはっきりした。さらに頭部の積分強度分布はU字型で、星雲の短軸方向に系統的な速度勾配がある。頭部の積分強度のピ-クでは ^<13>CO(J=1ー0)線の光学的厚さは1を超えるので、この部分の詳細な構造を調べるには存在比のより小さいC^<18>Oでの観測が有効である。そこでL1251の頭部を中心とした約1°×0.5°の領域をC^<18>O(J=1ー0)線で2´グリッドのマッピングを行った。その結果、 ^<13>CO線では割に平板な積分強度分布を呈していたU字型の頭部が、5個の高密度コアから成ることが明らかになった。この星雲のあるケフェウス座分子雲複合体の中央部には軟X線が広く分布していて、高温ガスの存在が知られている。L1251の形状と速度構造とはこの高温ガスとの相互作用に起因すると考えられる。これらの事実に、C^<18>Oの高密度コアの特性、赤外線源との関係基づくこの星雲での星形成活動についての考察などを加えて、論文をまとめているところである。
ケフェウス座分子雲複合体内の他の暗黒星雲の4m鏡による ^<13>CO(J=1ー0)線の観測も続行している。この冬は気象条件が悪く、観測の効率は余りよくないが、L1251の周辺にあるL1261/L1262、L1235、L1236などの暗黒星雲のマッピングがほぼ終了した。その多くは細長い形状を示し、複雑な速度構造を持つことが分かった。この速度構造は外部からの擾乱、おそらく周囲の高温ガスとの相互作用に由来すると思われる。来年度は同領域の他の暗黒星雲の ^<13>CO/C^<18>O線でのマッピングを続けるとともに、デ-タをくわしく解析して、これらの暗黒星雲の高密度コアの特徴、星形成活動などを解明する予定である。

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公開日: 1993-03-16   更新日: 2016-04-21  

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