1. 2次元強相関系及び一次元強相関系に対するbi-local平均場理論。 bi-localな補助場による平均場理論が、分数量子ホール系、一次元長距離相互作用系、2次元スピン系等に対して適用され、量子液体に対する一つの系統的な計算法が進展中である。 量子ホール系に対しては、ラフリン変分関数と密接な関系をもつ平均場が求められ、またその近傍におけるゆらぎの効果が求められた。 さらに、非線型励起モードである、渦解も求められ、それらに基づき系の性質が調べられている。 同方法は、また、一次元長距離相互作用系にも適用され、同系がラッティンジャー液体の性質を示すことが確かめられた。 2. チャーンサイモンゲージ理論について。 空間反転:時間反転を破る系の代表的性質を表わすチャーンサイモンゲージ理論の1粒子状態への効果、及び多粒子系としての性質が調べられている。 チャーンサイモンゲージ場は荷電スカラー場に自己エネルギーを与え、スカラー粒子のスピン及び質量を変化させてしまう。 スピンの値は、運動の初期条件によって決まる様々な値をとり得る。 これらの粒子の従う波動方程式とその解も求められた。 格子上で定義したチャーンサイモンゲージ理論の性質がモンテカルロ法に基づき調べられ、比熱等の熱力学的物理量は温度とともになめらかに変化し、K-T移転は存在するかもしれないが、明確には見えていないことがわかった。
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