研究概要 |
本研究の目的は、降着流の流体力学的振る舞いを研究することである。われわれはすでに2次元の数値シミュレ-ションを行い、その研究を行った。その結果、降着円盤の上に渦状の衝撃波が発生すること、またガスの角運動量が渦粘性がない場合でも、渦状衝撃波を通して連星の軌道角運動量に移行することを示した。ここではその研究を完全なものにするために、3次元効果の研究を行った計算の仮定、つまり非粘性,完全流体,加熱・冷却は無視し、担し冷却の効果をシミュレ-トするためにγ=1,2のポリトロ-プガスを仮定した。計算法はFluxーSplitting法で、時間積分法は緩和法である。計算格子は複雑なマルチブロックタイプである。計算結果は、2次元の場合ほどにはきれいに出ないが、やはり渦状衝撃波を持つ非軸対称な降着円盤ができた。しかし、渦状衝撃波は完全には対称ではない。故に、降着円盤上に渦状衝撃波が発生するという事実は、空間2次元のみでなく3次元でも起きるということが分かった。もっとも積分時間が系の半回転しか進んでいないので、最終的な結論をうるには、さらなる研究が必要である。 我々は、今までポリトロ-プガスを取り扱ってきたが、共同研究者のH.Spruitは2次元の場合に冷却を考慮した長時間の積分を行った。その結果、渦状渦撃波は周期的に変動する時期とカオティックになる時期が交互に現われることが分かった。これは我々が以前(1989)、関野たちと行ったポリトロピックガスの場合でも同様な結果を得ている。また共同研究者のS.Chakrabartiと、SS433の時間変動を我々の渦状腕メカニズムで説明するという論文も書いた。
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