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1991 年度 実績報告書

低エネルギ- ^7Li(t,n)^9Be反応断面積の測定

研究課題

研究課題/領域番号 03640283
研究機関立教大学

研究代表者

本林 透  立教大学, 理学部, 助教授 (20116114)

研究分担者 梶野 敏貴  東京都立大学, 理学部, 助手 (20169444)
家城 和夫  立教大学, 理学部, 助教授 (10159577)
白土 〓二  立教大学, 理学部, 教授 (90062562)
キーワード元素合成 / 非一様ビッグバン / 低エネルギ-核反応 / 天体核物理
研究概要

非一様ビッグバンモデルによる重い元素の合成の可能性を確かめるのに必要な、 ^7Li(t,n)^9Be反応の断面積を、逆反応 ^9Be(n,t)^7Liにより測定した。今回は三重水素エネルギ-2.0MeVに相当する条件で実験を行った。立教大学のコッククロフト=ワルトン型加速器からの重陽子ビ-ムを用い、 ^3H(d,n)^4He反応により高速中性子を発生させた。重陽子のエネルギ-は200keVで、散乱角90度での中性子エネルギ-は14.1MeVであった。二次タ-ゲット ^9Beの厚さは1mg/cm^2で、 ^9Be(n,t)^7Li反応によって発生する三重水素は大立体角のシリコン検出器によって測定された。信号は測定室に置かれたカマックデ-タ処理装置によって解析された。得られたデ-タから微分断面積を積分して反応全断面積を求めた結果は19.3±4.8mbであった。誤差には、後方の散乱角では測定が不可能となることによるものが含まれている。断面積は ^7Li(^3He,p)^9Be反応の断面積からDWBA理論、複合核理論等を用いて推定した上限値11.2mbよりもかなり大きい。もし、この断面積の傾向がより低いエネルギ-まで同じように続くとすると、非一様ビッグバンモデルによる ^9Beの合成率はかなり大きく、原始宇宙でも既に更に重い ^<11>B等の元素が生成されていた可能性を示唆する。
今後は、より低いエネルギ-(三重水素の1.5MeVに相当する条件)での測定を行い、今回の結果と合わせて理論的予測を評価し、核反応機構を明かにし、非一様ビッグバンモデルによる中重元素の合成率を求めたい。また、上に述べたように、今回の実験方法では後方角度の測定が困難である。これは、より低いエネルギ-では更に深刻となるので、別の方法を開発し、実際の合成過程が起きる条件での実験を行いたい。現在検討中なものは、生成された三重水素の定量を液体シンチレ-タ-で行うものである。

  • 研究成果

    (1件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (1件)

  • [文献書誌] 梶野 敏貴: "Theoretical Studies of the ^7Li(^3H,n)^9Be Cross Section and Primodial Nucleostnthesis of ^9Be" Nuclear Physics A.

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公開日: 1993-03-16   更新日: 2016-04-21  

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