研究概要 |
1.Ce×(X=P,As,Sb,Bi)の中,CePを除いて各単結晶について4.2〜300K,0〜8GPaまでの電気抵抗測定を行った。CeAsでは8K附近にある磁気転移に伴う抵抗のピ-クが1GPa以上で二つのピ-クの分烈することが見いだされてた。低い温度のピ-クはさらに加圧すると2.5GPa附近で4.2K以下となり,高温側のピ-クはさらに高い温度へと移動した。8GPaではCeSbの一気圧下の挙動に類似してくることがわかった。一方CeSbでは2GPaを越えると30K附近に抵抗の大きな山が現われ,圧力とともに値は増大し,7GPaで一気圧の抵抗値の20倍にもなった。この異常な抵抗極大の原因を現在検討している。CeBiについてやはり2GPa以上で30K附付に抵抗にハンプの生じることが見い出された。これらの系統的な圧力効果の実験からCeAs,CeSb,CeBiとアニオンを変えることと圧力を増加させる効果とが定性的に一致してすることが判明した。さらに個々の物質でそれぞれ独自の挙動を示す点も明らかにできた。これらの結果について結晶場とpーf mixingの効果から検討を行っている。 2.コヒ-レント状態にあるCeAsのシュビニコフ・ドハ-スのシグナルの圧力効果について測定した。その結果,観測されたブランチすべてが圧力に対してフエミ面が縮んでいく変向を示すことが判明した。 3.CePについて高圧下の比熱測定と帯磁率測定を行った。CePは8K附近で磁気転移に伴った比熱の山が見られるが、加圧するとこの山が二つに分烈し,低温のピ-クは圧力変化がほとんどなく,高温側のピ-クは圧力に敏感に高温側へ移動することがわかった。この現象はCeAsの抵抗異常の圧力効果と非常に良く対応している。又高圧下での帯磁率のデ-タからこの高温側の比熱の異常と強磁性転移とが対応していることが明らかとなった。
|