(1)80KのFe(110)上に水素原子が(2×1)や(3×1)配列構造で吸着した系について角度分解光電子分光実験を実施し、水素原子1s準位に主に起因する2次元バンドを調べた。このバンドの有効質量が非常に小さい(m^*/m〜0.4)ことを見いだしたが、その理由は不明。 (2)80KのFe(110)に吸着したCOの電子状態を角度分解光電子分光で調べた。吸着量によって吸着COの分子軸が変化すること、また、原子番号の小さい下地遷移金属3d軌道とCO4σ軌道との混成は無視できない大きさであることがわかった。 (3)80KのW(110)に吸着した水素原子が誘起する再配列を角度分解光電子分光で調べた。その結果、再配列によって、水素原子は表面に接近して、下地W原子との混成を強め、エネルギー的に安定化されることがわかった。 (4)有機物超伝導体κ-(BEDT-TTF)_2Cu(NCS)_2の角度分解光電子分光実験を実施して価電子帯を調べた。その結果、深い電子準位については分子軌道法計算結果と合致することがわかった。しかし、フェルミ端は観測できなかった。 (5)45KでNd-Ce-Cu-O(001)の角度分解光電子分光実験を実施した。 (6)Gd(001)の清浄表面作成を試みたが失敗した。 (7)Cr(100)表面の清浄化を継続している。
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