研究課題/領域番号 |
03640317
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研究機関 | 山口大学 |
研究代表者 |
三木 俊克 山口大学, 地域共同研究開発センター, 助教授 (70091212)
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研究分担者 |
三好 正毅 山口大学, 工学部, 教授 (80107771)
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キーワード | 非線形光学結晶 / ニオブ酸リチウム / タンタル酸リチウム / バナジン酸リチウム / 点欠陥 / 電子スピン共鳴 |
研究概要 |
光導波路やSHG用材料であるニオブ酸リチウム及びタンタル酸リチウム、さらに昨年SHGが確認された新しい非線形作料であるバナジン酸リチウムの点欠陥のキャラクタリゼ-ションを電子スピン共鳴(ESR)測定などにより行った。得られた結果を以下に示す。 (1)タンチル酸リチウムを高エネルギ-光や電離放射線照射した時に生成する電子捕獲中心とホ-ル捕獲中心とをESRで調べた。ニオブ酸リチウムでは、酸素イオンに捕獲されたホ-ルは最近接の3つのニオブに広がっているが、タンタル酸リチウムでは、捕獲ホ-ルとタンタルとの相互作用はきわめて弱い。また。ホ-ル捕獲中心の一部は、結晶成長時にルツボから混入した白金に近接する酸素上に捉えられることが、ESRの超微細構里から推測される。 (2)黒く着色した酸素欠損ニオブ酸リチウムの点欠陥は、F中心によるものかポ-ラロン分子によるものがはっきりした結論が出ていない。この点を明らかにする目的で光づリ-チした結晶でのF^+中心の存在を強電場中でのESR測定により調べたが、F^+中心の生成は確認されなかった。応力下での実験を進めているが、現在のところ、F^+中心の生成を積極的に支持する結果は得られていない。これらの実験結果及び電気伝導の結果を総合的に判断すると、酸素欠損ニオブ酸リチウムの欠陥は、Nb^<4+>ポ-ラロン分子によるものと考える方が妥当である。 (3)バナジン酸リチウム単結晶をFZ法で育成しているが、まだ良好な結晶を得るには至っていない。照射多結晶試料のESR測定により、2つの型のホ-ル中心を見いだした。
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