研究課題/領域番号 |
03640344
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研究機関 | 東京大学 |
研究代表者 |
久我 隆弘 東京大学, 物性研究所, 助手 (60195419)
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研究分担者 |
馬場 基芳 東京大学, 物性研究所, 教務職員 (60159077)
松岡 正浩 東京大学, 物性研究所, 教授 (10013476)
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キーワード | 二光子強度相関 / パラメトリック増幅 / スワイ-ズ系数測定 |
研究概要 |
連続波モ-ド同期Nd:YAGレ-ザ-の三倍波(355nm)を励起光としたパラメトリック増幅器を製作し、縮退した二光子(シグナル光・アイドラ光)を発生させた。シグナル光・アイドラ光それぞれにつき光子計数を行い,両者の同時計数率を時間ーパルス高変換器を用いて測定した。 励起光としてモ-ド同期光パルス列を用いており、光検出器の時間分解能もモ-ド同期の周期よりも短いので、同じパルス内で同時計数する場合(realーcoincidence)と近接するパルスどうしが同時計数する場合(delayedcoincidence)の二種類を区別することができた。この二種類の同時計数率の比R/Dが、パラメトリック蛍光の規格化された二次の相関関数g^<(2)>(0)である事を理論的に示し、これからスクイ-ジングパラメ-タが求められることを明らかにした。 R/Dの測定を行いイクイ-ジングパラメ-タの決定を試みた。しかしシグナル光・アイドラ光の空間的広がりのため、当初は精度良くパラメ-タを測定できなかった。その後、同時計数率の空間依存性・励起光強度依存性などを測定し、これらを考慮に入れた簡単な理論を基に解析を行った結果、スクイ-ジングパラメ-タの見積もりが定量的にも行えるようになった。 さらに、励起光の時間幅τp、パラメトリック蛍光のコヒ-レンス時間τcを考慮に入れた予備的な理論解析も行い、τpとτcの比がR/Dに大きく影響を与えることが明らかになった。即ちR/Dはτc/τpで悪くなることが解る。現在の実験条件はτc/τp=50程度であると見積られ、実験結果をほぼ良く説明できる。このg^<(2)>(0)のτp、τc依存性を測定することは、光の高次のコヒ-レンスを直接研究する事につながり、実験的なも成された例はなく、理論的に見ても非常に興見深い問題である。
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