研究課題/領域番号 |
03640349
|
研究機関 | 京都大学 |
研究代表者 |
海老沢 徹 京都大学, 原子炉実験所, 助手 (30027453)
|
研究分担者 |
高原 淑恵 茨城高等工業専門学校, 講師 (50216777)
秋吉 恒和 京都大学, 原子炉実験所, 講師 (40027420)
田崎 誠司 京都大学, 原子炉実験所, 助手 (40197348)
河合 武 京都大学, 原子炉実験所, 助手 (20027436)
|
キーワード | 多層膜中性子干渉計 / 中性子干渉計 / 冷中性子 / 多層中性子ミラ- / 磁気多層中性子ミラ- / 偏柮中性子 |
研究概要 |
本年度は干渉計による干渉パタ-ンのコントラストの改善に重点が置かれた。具体的には、第一にミラ-基板の平面性の改善を行なった。その基板上に蒸着された多層膜ミラ-が干渉計用のミラ-として充分な性能を有していることが2つのシリコン単結晶を用いたdouble diffractionの方法で確められた。 第二には、干渉計用の4つのミラ-を数十オングストロムの精度で微調整できる方法の開発を行なった。 ミラ-の設置は2段階でなされる。第1段階でミラ-面を1000オングストロム以内の精度で設置し、第2段階でピエゾ素子を用いて約10オングストロムのステップでその位置の微調整を行う。 第1段階では4つのミラ-は平面性の優れた定盤面を基準にして設置される。定盤表面の面積は20cm×15cmであるが,その全表面にわたって理想的な平面からのずれを500オングストロム以下におさえることができた。精密なリニア-スケ-ラ-とレ-ザ-干渉を用いると4つのミラ-を全表面にわたって1000オングストロム以下の精度で定盤面上に設置することができる。これらのミラ-は各々3つのピエゾ素子により保持される。第2段階では、中性子による干渉パタ-ンのコントラストを監視しながら、ピエゾ素子を用いて数十オングストロムのステップでミラ-位置を微調整し、コントラストが最大になる位置を調べる。 これらの改善により、多層膜中性子干渉計のために必要な精度が達成されていることが種々の物理的検討により確かめられた。現在、実験的に確認するための準備が行なわれている。 これらの成果は3編の論文として現在作成中であり間もなく出版される。なお,本科研費を用いて実験デ-タ解析用プログラムの開発が行なわれた。
|