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1992 年度 実績報告書

地震波形記録の新しい解析手法による上部マントルの3次元構造の推定

研究課題

研究課題/領域番号 03640361
研究機関東京大学

研究代表者

ゲラー ロバート  東京大学, 理学部, 助教授 (40170154)

研究分担者 坪井 誠司  東京大学, 地震研究所, 助手 (90183871)
キーワードインバージョン / 上部マントル / 3次元構造
研究概要

本年度の研究成果を以下にまとめる。(1)IDA及びGEOSCOPEの長周期表面波のデータを解析して上部マントルのS波速度構造モデル、PUMO (Preliminary Upper Mantle model,version 0)を求めた。解析手法には逐次線形波形インバージョン法を用い、これを実行する際必要となる理論波形とその偏微分係数の計算には我々の開発したDSM法(Direct Solution Method)を用いた。我々のモデルによる理論と観測の残差の改善は80年代のモデルのそれと比べて大変よく、今回の解析により従来より高精度の地球内部3次元構造モデルを推定することが出来た。この成果はProceedings of Japan Academy誌に発表した。(2)上述のPUMOを求める際、震源パラメタはCMT解を採用し、インバージョンの間値を固定した。インバージョンの解に対するこの影響を見積るため、PUMOを使って震源パラメタを再決定した後に再び内部構造のインバージョンを試みた。計算結果からPUMOは震源パラメタの微少な摂動に対して安定であることがわかった。今後は、震源パラメタも未知数に含めた逐次インバージョンを実行し、震源パラメタと内部構造モデルパラメタのtrade-offを見積ることが課題となる。この成果は日本地震学会1992年度秋季大会で発表した。(3)DSM法は3次元地球モデルに対して理論波形とその偏微分係数を高精度に効率よく計算する新手法であるが、我々はさらに飛躍的に計算時間を短縮できるアルゴリズムを開発した。簡単に見積ると、計算時間をこれまでの1/10に短縮できる。実際の計算ソフトウェアにはDSM法のソフトウェアをほとんどそのまま使えるので、開発は容易である。今後、さらにデータを増やした大規模インバージョンを実行する際にこの新しいアルゴリズムは大変有効である。

  • 研究成果

    (6件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (6件)

  • [文献書誌] T.Hara,S.Tsuboi,& R,J. Beller: "Laterally hete wgoneoum upper mantle S-wave aelocity structure obtained by sterative lirearized waveform inuersion" Pno cee dingo of Japa Academy. 68. 155-160 (1992)

  • [文献書誌] 原 辰彦,坪井 誠司,ゲラー・ロバート: "水平方向不均質地球モデルを用いたモーメントテンソルの再決定" 日本地震学会構演予稿集. 2. 178 (1992)

  • [文献書誌] 原 辰彦,ゲラー・ロバート: "大陸の根と上部マントル S=2パターン" 日本地震学会 1993年度春季大会.

  • [文献書誌] ゲラー・ロバート,原 辰彦: "逐次波形インバージョンに有効な2つのイアルゴリズム" 日本地震学会 1993年度春季大会.

  • [文献書誌] R.J.Geller,T.Hara,P.Cummins,& T.Hatori: "Using the Direct Solution Method to Invert Long Period Body wave Data for 3-8 Earck Struc fure" The Third SEDI Symposium , abstract. 54-56 (1992)

  • [文献書誌] T.Hara,S.Tsuboi,& R.J Geller: "Inversion for laterally heterogeneous upper Mantle Structure using terative lineariged waveform inversion" The thired SEDI symposium , abstract. 56-58 (1992)

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公開日: 1994-03-23   更新日: 2016-04-21  

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