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1991 年度 実績報告書

衝突破片の速度分布とエネルギ-分配に関する実験的研究

研究課題

研究課題/領域番号 03640364
研究機関東邦学園短期大学

研究代表者

高木 靖彦  東邦学園短期大学, 講師 (10192147)

研究分担者 加藤 學  名古屋大学, 理学部, 助手 (80115550)
キーワード衝突実験 / 惑星形成過程 / スケ-リング則 / 衝撃波 / 速度分布
研究概要

葉蝋石を標的とした衝突破壊実験を、400〜900mの毎秒の衝突速度範囲で行った。その様相を高速度カメラで撮影し、その解析から破片の速度分布を求めた。
破片の速度に関して、本研究が開始された時点における最も大きな論点は、破片速度の破片質量への依存性であった。すなわち、他のグル-プにより行なわれてきた従来の実験(衝突速度範囲は1000m毎秒以上)の結果は、破片速度と質量の間に-1/6乗の明瞭な負の相関があることを示していたのに対して、本研究の予備実験(秒速500m以下)は、破片速度が殆ど一定で質量依存性が無いことを示していた。この点に関しては、中間の速度領域で行なった本研究の結果は、わずかではあるが、負の相関が有ることを示した。しかし、それは従来の結果に示されていたもの程明瞭なものではなかった。
本研究により新たに得ることができた結果の一つは、一回毎の実験の破片速度が、破片質量よりもむしろ、衝突点から破片の初期位置までの距離と負の相関を示すことである。この相関関係はどの実験においても顕著に示されており、その指数は約-4/5であった。
この結果と、衝突点で発生する衝撃波の圧力とその減衰の計算から、破片速度が破片の初期位置における衝撃波の圧力の1/4乗に比例することを、全ての実験デ-タについて明らかにすることができた。この結果は、衝突破壊により形成された破片の大きさが、衝撃波の強度により記述できるという我々のグル-プのスケ-リング則と調和的である。しかし、1/4という係数の物理的意味などについての解明には、衝撃波の減衰率や継続時間などについての計算を含めたより詳細な検討が必要であり、平成4年度の研究課題である。

  • 研究成果

    (5件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (5件)

  • [文献書誌] Y,Takagi;M.Kato;and H.Mizutani: "Mass-velocity relation of fragments produced by catastrophic impacts" Lunar and Planetary Science. XXII. 1371-1372 (1991)

  • [文献書誌] Y.Takagi;M.Kato;and H.Mizutani: "Mass-velocity relation of fragments produced by catastrophic impacts" Proceedings of the 24th ISAS Lunar and Planetary Sympoisuim. 24. 34-38 (1991)

  • [文献書誌] Y.Takagi,M.Kato,and H.Mizutani: "Velocity distribution of fragments of catastrophic impacts" Asteroids,Comets,Meteors 1991. (1992)

  • [文献書誌] A.Fujiwara;A.Nakamura;M.Kato;and Y.Takagi: "Experimental simulation of collisions" Primitive Solar Nebula and Origin of the Planets. (1992)

  • [文献書誌] M.Kato;Y.Iijima;Y.Okimura;M.Arakawa;N.Maeno;A.Fujimra;and H.Mizutani: "Impact experiments of low temperature H_2O ice" Proc.Intnat.Conf.Physics and Chemistry of Ice. (1992)

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公開日: 1993-03-16   更新日: 2016-04-21  

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