研究概要 |
まず第1に,米国の人工衛星Nimbus7により観測された10年間のオゾン全量の日々の値を解析し次のことを得た。 (1)CDーROM形成のデ-タを読みとることが可能となった。つまり,パソコン上で大量デ-タ処理を可能にした。日本ではおそらく始めてである。 (2)1979年1988年にかけての変化をみると,北半球の3月ごろ50゚Nあたりでは,50DUの減少があり,この量は南極オゾンホ-ルの変化に匹敵する。前味あることは,北半球は日々の変動が激しく,大きな力学的変動を受けながら減少しつつあることである。この要因は,今後解析すべき大きな課題である。 更に,昭和基地で観測された30年間にB15デ-タの解析を行い,以下のような点をみつけた。 (1)100mb高度の9月平均の南北風をオゾン全量の間に,1980年代は相関係的ー1.0といえる,逆相関をみいだした。すなわち,極向きの風のときにオゾン全量は増加し,赤道向きのとき減少した。さらに,昭和基地のオゾン全量は,70゚Sの平均値をよく対応しており,この相関の発見は,オゾンホ-ルに対する九学効果で裏付ける重要な価値をもつ。 (2)昭和基地の東西風の変化に,1970年代半ばに大変動があることを示す事実をみつけた。 (3)気温変化より,成尽口では温室効果による気温低下が始まっていることをみい出した。
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