研究概要 |
我々はNOx還元除去触媒として優れた機能を持つPt-Rh合金触媒の特性を調べ、表面第一層と第二層間でのPtとPh原子の分配が、反応条件で容易に変化することに直接起因する事を見いだした。即ち、この合金系は全領域固溶合金であるが、950K以上に加熱すると、清浄表面の組織は、第一層にPtが多くなり、第二層にRh原子が多くなるような分布になる。しかし、第三層から深いところはバルク組成となっている。このような表面組成の変化は金属原子の拡散速度が充分大きくなる温度950K以上を必要とするが、この表面にO_2やNOを吸着させると、それより500K以上低い400Kで、第一層のPtと第二層のRh原子は容易に入れ替わりp(3x1)構造のRh-Oのoverlayerが生成する事を見つけた。このようなランダム混合の合金に対し、この研究では、一定の配列構造を持つ化合物合金の一つでfcc、L1_2構造のPt_3Coの(111)面について調べた。理想的な結晶構造から予想されるPt_3Co(111)面の(1x1)構造は、1個のCo原子が6個のPt原子に囲まれた配列であるが、最近、加熱した表面はPtで完全に覆われ、c(58x22)構造になる事が報告された。Pt(111)表面にはN原子は吸着しないことから、Pt_3Co(111)面経のNの吸着は大変興味深い。NO+H_2反応、さらに^<14>NO,^<15>NOを使って、Pt_3Co(111)面にN原子が濃縮され、580Kで脱離することを見つけ、さらに同位元素の分析からNは島状に表面に吸着していることが分かった。また、NO+H_2反応においてN_2の生成速度は水素圧にゼロ次、NO圧に1/2次であるのに対し、NH_3の生成速度はNO圧にゼロ次、水素圧に1/2次であった。また、H_2の生成速度はNOにゼロ次となる等生成物により依存性が異なる事を見つけた。
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