研究概要 |
1.ゲルマニウム原子を含む活性化学種のレ-ザ-分光 Cl_2またはBr_2をアルゴンガスに希釈してマイクロ波放電励起し、下流でGeH_4と反応させることによりHGeClおよびHGeBrを生成させた。レ-ザ-誘起蛍光法LIFを用いて、HGeClおよびHGeBrの電子遷移を高分解能で測定した。スペクトルをX^1A′(000)状態からA^1A″(Ov^′_2O)状態への遷移系列に害属し、K回転構造を解析して分子定数と幾何学的構造を決定した。さらにA状態の振動準位間にフェルミ共鳴が存在することを見いだした。 2.シアンラジカルCN電子励起状態の分光と生成失活過程の研究 アルゴン原子の準安定励起状態Ar( ^3Po, _2)とBrCN分子との衝突解離反応が生成させたCN電子励起状態からの発光スペクトルを測定し解析した。 (1)CN( ^4Π)状態の分子定数とポテンシャル曲線の決定 CN(B^2Σ^+),v=9,12,17準位からの発光スペクトルを測定し、そこに現れる顕著な強度異常を詳細に解析した。これらの準位と摂動している発光しない励起電子状態 ^4Πの分子定数を正確に決定し、別の準位の摂動解析の結果と合わせて ^4Π状態の振動量子数を確定した。さらにその帰属に基づいて、こ天働仕電先ぱポテンシャル曲線を正確に求めた。 (2)CN(B^2Σ^+〜 ^4Π)摂動線の圧力依存性の解析 アルゴンガスの圧力を9ー2000mTorrの範囲で変えてCN(BーX)発光スペクトルを測定し、14ー14バンドの摂動線N′=7,10の強度に著して圧力依存性を発見した。定常状態法に基づく解析を行った結果、 ^4Π状態の摂動準位がAr原子との衝突によって回転緩和する断面積と自然放射寿命を決定した。同様の解析をHe原子との衝突についても行って比較した。 (3)CN(A^2Π_i)状態の振動回転分布 CN(AーX)発光スペクトルを測定解析し、A^2Π_i状態が生成した直後の振動回転分布を決定し、生成過程がエネルギ-移動機構であると結論した。
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