研究概要 |
本年度は,レ-ザ-蒸発法を用いて炭素鎖分子を生成させるための真空チェンバ-、パルスノズル、および試料棒支持機構の設計・製作を行なった。レ-ザ-蒸発においては,試料に集合したレ-ザ-光(エキシマ-レ-ザ-を予定)をあて,蒸発した分子をキャリア-ガスでジェットとして真空中に導入する。そのため,多量のガスをすみやかに排気できることが必要になる。排気速度が大きければ大きいほど,レ-ザ-パルスの周期を短かくすることができ、マイクロ波スペクトルの測定において実効的感度を向上させることにつながる。このことを念頭において、エドワ-ズ社の16'の油拡散ポンプ(排気速度:7000l/s)を導入した。このポンプは,メカニカルブ-スタ-ポンプおよび油回転ポンプでバックアップした。真空チェンバ-は,径60cm,長さ90cmのものを製作した。いくつかのポ-トを設け,マイクロ波の導入などに利用する。また径をやや大きくとってあり,共振器を導入して感度を向上させることができるように工夫した。 レ-ザ-パルス,ノズルの開閉,デ-タ収得のタイミングは実験条件や目的分子によって自由に調節できる必要がある。そのための電子回路の設計製作を行なった。 これらの装置をエキシマ-レ-ザ-と組み合わせて,炭素鎖分子のスペクトルの検出をめざす。 また,既存のマイクロ波分光器を用いて、炭素原子,CAHラジカルなどのスペクトルの研究を行なった。
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