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1992 年度 実績報告書

新規なトリヒドロキサム酸の合成と選択的金属錯体形成及び錯体を用いる分子認識

研究課題

研究課題/領域番号 03640442
研究機関東京農工大学

研究代表者

秋山 雅安  東京農工大学, 工学部, 教授 (20016728)

キーワードトリヒドロキサム酸 / 金属イオン錯体形成 / 分子認識 / フェリオキサミンモデル / ペプチド性ヒドロキサム酸 / 錯体の立体配置 / ヒドロキサム酸鉄(III)錯体 / 三方向性分子
研究概要

形態の定まった分子構造をもつ機能物質の創製は物質の新規な機能の追求と分子認識の概念の確立のために重要な合成化学上の課題である。天然のトリヒドロキサム酸の鉄(III)錯体形成に関連する挙動はそのような機能物質の設計に貴重なヒントを与えている。本研究では、種々の新規なペプチド性の多価ヒドロキサム酸を合成した。選択的金属錯体形成は鉄(III)やガリウム(III)の金属イオンを用いて行ない、錯体形成および錯体の性質を分子認識の観点から研究した。その結果、学術上有用な数々の知見を得ることができた。これらの概要を以下に記す。
1.アラニル-(N-ヒドロキシ)グリシル-アラニンを1単位配列として、トリス(アミノエチル)アミンに1、2、3単位それぞれ結合した三方向性のトリ、ヘキサ、ノナヒドロキサム酸を合成した。金属イオンによる錯体形成で多重イオン捕捉についての新しい知見を得た。 2.ヒスチジンを含有する分子として、アセチルヒスチジル-アラニル-β-(N-ヒドロキシ)アラニル-アラニンをトリス(アミノエチル)アミンに結合した三方向性のトリヒドロキサム酸を合成し、金属イオン錯体形成におけるイミダゾール基の関与を明らかにした。 3.アラニル-アラニル-β-(N-ヒドロキシ)アラニンを三回繰り返した配列をもつ鎖状、環状のトリヒドロキサム酸を合成し、キラルなフェリオキサミンモデルとして評価した。 4.ロイシル-アラニル-(N-ヒドロキシ)グリシル-バリンのテトラペプチドを準備し、これを用いて環状トリヒドロキサム酸のドデカペプチドを合成した。その金属イオン錯体はC_3対称性の構造であることが示唆された。上記1〜4で得られた新規なトリヒドロキサム酸は、金属イオンとの錯体形成で形態の定まった分子構造となることが明らかになった。今後の展開としてこれらのペプチド性ヒドロキサム酸の機能発現の研究が必要となっている。

  • 研究成果

    (1件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (1件)

  • [文献書誌] 秋山 雅安: "N-Hydroxy Amides,X. Synthesis of a Nonapeptides with an Ala-(HO)Gly-Ala Sequence and It's spectral and Iron (III) Holding Properties" Bull.Chem.Soc.Jpn.65. 1356-1361 (1992)

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公開日: 1994-03-23   更新日: 2016-04-21  

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