• 研究課題をさがす
  • 研究者をさがす
  • KAKENの使い方
  1. 課題ページに戻る

1991 年度 実績報告書

励起錯体における分子間相互作用の特性とその応用

研究課題

研究課題/領域番号 03640461
研究機関大阪府立大学

研究代表者

水野 一彦  大阪府立大学, 工学部, 助手 (10109879)

キーワード励起錯体 / 光極性付加反応 / 光環化付加反応 / 光誘起電子移動反応 / ラジカルイオン / ジアステレオ選択性 / 溶媒効果 / 分子間相互作用
研究概要

励起状態における分子間相互作用によって生成する励起錯体の化学的特性を明らかにし,新しい高選択的な光化学反応を開発することを目的として研究を進め,以下のような成果を得た。
1.電子受容性光増感剤を用いる分子間および分子内光極性付加反応:(1)9,10ージシアノアントラセン(DCA)を光増感剤とする芳香族アルケンヘのアルコ-ルの分子間光極性付加反応では,芳香族アルケンの構造によって著しく異なった溶媒効果を受けることを見い出した。(2)DCAを光増感剤とする分子内にOH基をもつ芳香族アルケンの分子内光極性付加反応では,5〜7員環のエ-テルが効率よく生成することを見い出した。(3)これらの光化学反応では,DCAと芳香族アルケンとの間に生成する励起錯体または光誘起電子移動によって生成するラジカルイオン種が反応活性種になることを明らかにした。また,これら活性種の反応特性を支配する因子について多くの新知見を得た。
2.芳香環へのアルケンの立体選択的光環化付加反応:(1)9ーシアノフェナントレンやピレンとけい皮酸メチルとを含むベンゼン溶液に光照射すると,立体特異的に(2π+2π)光環化付加体が生成することを見い出した。この光環化付加反応では,けい皮酸メチルのフェニル基の高いエンド選択性が認められた。(2)メフチルメチルトリメチルシランとアクリロニトリルとを含むベンゼン溶液に光照射すると,シアの基がエンド側に付加した(2π+2π)光環化付加体が生体することを見い出した。(3)キラルな置換基をもった芳香族化合物とキラルな置換基をもつた芳香族アルケンとの(2π+2π)光環化付加反応では,ジアステレオ選択的に進行し,一方のジアステレオマ-が選択的に生成することを見い出した。(4)これらの光環化付加反応はいずれも励起錯体を経由して進行することを明らかにした。

  • 研究成果

    (5件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (5件)

  • [文献書誌] Kazuhiko Mizuno: "Regioー and Steteoーselective[2π+2π]Photocycloaddition of ElectronーDeficient Alenes to Naphthalene Ring Bearing Siー and GeーContaining Substituents" Chemistry Letters. 2001-2004 (1991)

  • [文献書誌] Kazuhiko Mizuno: "Stereospecific Photocycloaddition of ElectronーDeficient Arylakenes to 9ーCyanophenanthrene via Exciplex" (J.Chem.Soc.,Chemical Communications).

  • [文献書誌] Kazuhiko Mizuno: "Stereospecific Photocycloaddition of ElectronーDeficient Arylalkenes to Pyrene Via Exciplex" 日本化学会第61春季年会(横浜,1991年4月)講演要旨集II p.1536(Chemistry Letters).

  • [文献書誌] Kazuhiko Mizuno: "Structural Dependence on Photoaddition of Methanol to Arylalkenes.Solvent and Additive Effects on Photoinduced Electron Transfer Reaction" 日本化学会第61春季年会(横浜,1991年4月)講演要旨集II P.1566(Bull.Chem.Soc.Jpn.).

  • [文献書誌] Kazuhiko Mizuno: "Regioー and Stereoーselective Intramolecular Photoaddition of 1,1ーDiphenylーωーhydroxyー1ーalkenes Via Exciplex Quenching Mechanism" 日本化学会第63春季年会(大阪,1992年3月)において講演(Chemistry Letters).

URL: 

公開日: 1993-03-16   更新日: 2016-04-21  

サービス概要 検索マニュアル よくある質問 お知らせ 利用規程 科研費による研究の帰属

Powered by NII kakenhi