1)オレフィンの合成 各種のセレノケトン1をヒドリド還元して対応するセレノアルコール2を合成する反応を、立体化学を含めて検討した。その結果、オキサゾール誘導体1(X=0)ではsyn-アルコール(syn-2)生成が優先し(NaBH4還元)、チアゾール誘導体ではanti-アルコール(anti-2)生成が優先する(NaBH_4、Zn(BH_4)_2、BH_3・SMe_2還元)ことを見いだした。また、anti-アルコールからはE-オレフィン(E-3)が生成し、syn-アルコールからはZ-オレフィン(Z-3)が生成することを明らかにした。 2)セレネタンの合成 2-(3-ヒドロキシアルキルセレノ)ベンズオキサゾール4の新しい合成法と、4に塩基を作用させてセレネタン5を合成する反応を開発した。また、4の置換基の種類によっては、セレネタンの前駆体であるスピロ化合物6が得られることも明らかにした。
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