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1992 年度 実績報告書

高山植物の生長一体眠様式にみられる寒冷適応の様相

研究課題

研究課題/領域番号 03640556
研究機関専修大学

研究代表者

吉江 文男  専修大学, 経済学部, 助教授 (50183992)

キーワード高山植物 / 適応戦略 / 休眠 / 休眠芽 / 生活形 / 生育型 / 生長習性 / 生育地
研究概要

1.この研究の目的は、高山に生育する多年生草本植物の寒冷気候に対する適応戦略を生育期と越冬期における様々な形質間の相互関係に基づいて明らかにすることである。この研究は平成3年度から5年度にかけて行われる予定である。
2.本年度は約25種の高山植物の主として越冬期の休眠状態、休眠芽の構造、生活型の調査を行い、以下の知見を得た。(1)休眠状態:10月初めに採取しその後24Cで栽培した結果、早い植物では10日前後で生長を再開するが、遅いものでは150日経っても生長を再開しない。つまり、高山植物の休眠には温帯植物と同じように明らかに多様性が存在する。(2)休眠芽の構造:秋にはすでに新しいシュートを少し展開して越冬するものと、休眠芽のまま越冬するものに分かれる。後者はさらに本葉からの芽鱗の分化程度によって、完全分化、不完全分化(鱗片葉が存在)、未分化(芽鱗は存在しない)に分類される。(3)越冬期に形質と生育地との関係:すでに新シュートを展開したもの及び芽鱗の未分化な休眠芽では自発休眠が浅く、分化した芽鱗をもつ休眠芽の自発休眠は深い傾向を持つ。後者は前者に比べ安定した立地に生育するものが多い傾向にある。(4)生育期の形質を調査した植物種数は少ないが、今の所、無限生長型植物の休眠は浅い傾向にある。
3.この研究は多数の高山植物の生育期と越冬期の諸形質を調査して始めて完結する性質のものである。そのため平成5年度には、新たに約15種の植物について生育期と越冬期に形質調査を行い、これらの結果に基づいて適応戦略の類型化を行う予定である。

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公開日: 1994-03-23   更新日: 2016-04-21  

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