研究課題/領域番号 |
03640561
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研究機関 | 国立環境研究所 |
研究代表者 |
可知 直毅 国立環境研究所, 地球環境研究グループ, 主任研究員 (30124340)
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研究分担者 |
奥田 敏統 国立環境研究所, 地球環境研究グループ, 主任研究員 (20214059)
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キーワード | 砂丘植物 / コウボウムギ / チガヤ / 個体群統計 / 種間競争 / マトリックスモデル / 栄養繁殖 / 種間相互作用 |
研究概要 |
1.コウボウムギの生存率、地下茎によるシュ-トの空間分布などにチガヤの存在がどのように影響するかを解析するために、茨城県阿字ケ浦の内陸砂丘において。コウボウムギとチガヤの混生率の異なる場所を3地点選び、永久方形区を設定した。永久方形区内に出現した両種の全てのシュ-トをマ-キングし、その位置を記録して、1ケ月に1度の頻度でシュ-トの生存を新たなシュ-トの出現がみられなくなるまで調査した。 2.コウボウムギのシュ-トは1生育シ-ズン中に全て入れ替わるが、チガヤのシュ-トの中には2シ-ズン以上生存するものがあることがわかった。 3.成育期の終わり(10月)に両種のシュ-トの成長量の推定を行った。コウボウムギについては根際の直径、チガヤについては草丈を用いることによって、よい推定が得られることが示された。 4.現在、シュ-トの位置情報から、両種のシュ-ト間の距離を求め、これにシュ-トの成長量による重み付けを行ってシュ-ト間相互作用に関する統計量を計算中である。これによって、シュ-トの空間配置に種間の相互作用が認められるかどうかを検定する。 5.さらに、1ケ月間隔で測定した個体群統計から、シュ-トの生存と成長を記述する推移確率行列を求めるための、基礎デ-タを計算機に入力する作業を進めている。今後、個体群統計のデ-タからチガヤの混生率の異なる場所のコウボウムギの推移確率行列を求め、これらを相互に比較することによって、コウボウムギのシュ-ト個体群の動態のどの過程でチガヤとの相互作用が認められるかを検討する。
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